一匹狼のための一人Q&A大会と質問の型をいくつか持っておくと便利より、転記&いくつか追加。どう使うかは二つのエントリーを参照のこと
追記:9月2日
基本的にこういう質問を友達や彼女/彼氏につかっちゃダメだよ。嫌われるよ。「きっちり、はっきりさせることが重要」ということを共有している研究室や職場においてだけ使いましょう。もちろん、自分はいくら苛めても良いのでガンガン自問自答しましょう。
質問の基本
ある事柄に関して、少なくとも5つの側面があります。良く言う5W1Hです(What, Why, Who, When , Where, How)。自分がはっきりさせたい事柄に関して、この5W1Hを問います。あるいはその反対「〜でないのは?」を問います。
言葉の定義や概念の整理をしたい場合
- 「〜の定義は何?」
- 「何が〜ではないの?」
- 「〜は何に対して使う言葉ですか?」
- 「〜はどの分野で使われる言葉ですか?」
- 「〜の代表例は何?3つ挙げてみて。」
- 「〜ではないものを3つ挙げてみて。」
- 「***は〜に含まれますよね?」
- 「***は〜に含まれないですよね?」
- 「絵で書くとどうなる?」
- 「数式で表すとどうなる?」
- 「表で表すとどうなる?」
- 「定義に使っている単語や専門用語は既に別の意味で使われていない?」
- 「定義に使っている単語や専門用語は通常使われている意味に沿っている?」
- 「既にその意味を表す用語があるのに、造語を作っていない?」(論文において自作用語を使うときに注意すべきこと)
- 「読者/聴衆が、その用語から、あなたが説明した内容を読み取ることは簡単?」
数字や単位に対して
- 「〜は何を表す数字/単位ですか?」
- 「〜は大きい値の方が良いんですか?小さい値の方が良いんですか?」
- 「〜が変化するときそれは何を意味するんですか?」
- 「〜はどうやって計算するんですか?」
- 「〜は通常どのくらいの幅(オーダー)で変動するんですか?」
- 「〜は異常時にどのくらいの幅(オーダー)で変動するんですか?」
- 「実用的には〜はどのくらいの値になるんですか?平均値/中央値/最小値・最大値を教えてください。」
- 「〜はこのテーマ/研究/企画においてどれくらい重要な数値/単位ですか?」
- 「〜をX%増加/減少させるために何円/何時間かかりますか?」
- 「〜がX%増加/減少したことにどんな意味がありますか?」
- 「〜がX%増加/減少したことによって、どんな影響が発生しますか?」
- 「標準時/平常時の値はどのくらいですか?」
- 「〜に影響が出る値はどのくらいですか?」
- 「〜は何回/何人が測定した値ですか?」
主観的な事柄に関して:「正しい」を例として
- 「『〜が正しい』というのは何がどうなったときのこと?『正しくない』ときというのは何がどうなったときのこと?」
- 「『〜が正しいかどうかを調べる』というのは具体的にどうやって行うの?」
- 「『〜が正しい』というのは誰の基準に基づいて?他に基準はないの?」
- 「『正しく行う』というのは、何をどうすること?正しくなく行う方法はあるの?」
主観的な事柄に関して:「良い」を例として
行為に関して洞察したいとき(特に評価やテストなど)
- 「〜というのはいったい何をどうすることなの?」
- 「何がどうなったら、〜ができたといえるの?」
- 「何がどうなったら、〜は失敗したといえるの?」
- 「〜を終えるための手順は何?一番最初に行うことは?」
- 「その行為を行う理由は何?」
- 「その行為以外に目的を達成できることはないの?」
- 「その行為を始めるには何が必要?その行為によって何を得られる?」
- 「その行為における大前提は何?」
- 「その行為は誰がどういう状況のときに行うの?」
研究の基礎を固める場合
- 「何が問題?」
- 「その問題はどうして解決しないといけないの?」
- 「その問題について現状はどうなっているの?」
- 「その問題が発生する根本原因は何?」
- 「あなたの解決方法は、どうして有効なの?」
- 「他に解決方法はないの?」
- 「他の解決方法に比べたあなたの解決方法は何が良いの?」
- 「その解決方法を詳しく説明すると、何を何のためにどうすることなの?」
- 「研究の目的は何?」
- 「何がどうなったら、その目的を達成できたと言えるの?(目標は何?)
- 「いつまでにどこまで行うの?」
- 「目的を達成するためにやらなければいけない仕事は何?」
- 「もう一段仕事を分割するとどうなる?」
- 「もう一回だけ仕事を分割するとどうなる?」
- (仕事が「〜のためのアルゴリズムを構築する」だった場合)「『〜のためのアルゴリズムを構築する』ためにはまず何をやれば良いの?」
- (何がわからないのかわからないとき)「どこまでがわかる?」
次に何をするべきかわからないとき
- 「私はそもそも何がしたかった?」
- 「目的を達成するためにやらなければならないことは何?」
- 「今、悩むべき?」
- 「今、寝たら/食事したら/気分転換したらダメ?」
- 「私が10秒後から始められることを全部列挙すると何?」
- 「私が10分後から始められることを全部列挙すると何?」
- 「私が1時間後から始められることを全部列挙すると何?」
- 「私が1日後から始められることを全部列挙すると何?」
- 「私がX日後から始められることを全部列挙すると何?」
- 「誰に助けを求めたらヒントをもらえそう?」
- 「何を読んだらヒントをもらえそう?」
- 「どこに行ったらヒントをもらえそう?」
自分が伝えたいこと表現したいことをはっきりさせたいとき
- 「あなたが言いたいことを一言でいうと何?」
- 「一言ではいえない理由は何?」
- 「あなたが言いたいことを50文字/100文字/400文字で表すと何?」
- 「聞き手が自分のお母さん/お父さんだとして、説明するとどうなる?」
- 「聞き手が中学校二年生だとして、説明するとどうなる?」
- 「その言いたいことを理解してもらうには何の情報が必要?」
- 「その言いたいことの重要性を理解してもらうためには何の情報が必要?」
- 「あなたの言いたいことを図で表すとどうやって表現できる?」
- 「***さん(先生)だったら、あなたの言いたいことをどう表現すると思う?」
相手が何を求めているのかわからないとき
- あなたが私に求めていることはなんですか?
- まとめると、私は何をすれば良いですか?
- まとめると、あなたは私に何をしてくれるのですか?
- 一番最初/最後に起こった出来事はなんだったの?
- 一番、許せない/重大な出来事はなんだったの?
- すみません、確認させてください。***について重要なことは全部でX個あり、第一が…、第二が…、(と指おりながら確認する。足りなければ相手が補ってくれる)
- 細かいところはわからないんだけど、あなたがうれしい/悲しい/楽しい/つらいのは分かった。大丈夫、味方になるよ。(相手が承認や励ましを求めていると理解したら細部はどうでも良いので承認や励ましを与える)
何がわからないのかわからないとき
- 「そもそも、それを理解する必要があるの?」
- 「何で、私はそれを理解しなければならないの?」
- 「今、わからない(理解できない)の?それとも、納得(賛成)できないの?」
- 「先生/仕事が私に求めている理解の水準は何?」
- 「今、私が理解していることは何?」
- 「教科書/参考書のうち、理解できている部分はどこ?」
- 「わかっていることを絵で書くとどうなる?」
- 「わかっていることを数式で表すとどうなる?」
- 「わかっていることを表で表すとどうなる?」
- 「誰に助けを求めたらヒントをもらえそう?」
- 「何を読んだらヒントをもらえそう?」
- 「どこに行ったらヒントをもらえそう?」
追記:発散と収束、具体化と抽象化のプロセスはバラバラに行うこと
はてなブックマークで以下のコメントをもらった。
長すぎてまったく使えない。各パラグラフは3行にすること!こんなの常識!
自分の意見を相手に伝えたいときにはこのコメントの指摘とおり、短ければ短いほどよい。
上記の質問群は、主に思考の展開や具体化、明確化を目的として用いるもの。なので、質問すればするほど、思考は発散および具体化されていく。ブレインライティングという本やGTDの本で提唱されているけれども、思考の発散と収束を一緒に行ってはいけない。まずは、十分に発散および具体化させてから、適切な方法でポイントを理解してもらうために収束させていくべき。
回答と質問というのはネジとドライバーの関係に似ている。自分が扱いたいネジにあわせて、適切なドライバーを選ばないとネジ山をつぶしてしまったり、ネジが固すぎてうまくしまらない/ゆるまない。質問も一緒。適切な質問によって、適切な答えが見つかる。だから、できるかぎりたくさんの質問を用意しておいて、適切な回答を見つけられるようにしないといけない。