元村さんの偏見ではないと思います

アマチュアサイエンティスト:反「理系白書」のエントリに反論します。


あのう、どちらのお国にお住まいで?
世間?上記のようなことは私は聞いたことがない。
仕事では、毎日理系に合っている。
私生活全般、友人関係では、理系は2、3割か。
こう書くと私自身が理系人間が居るって認めてるみたいで腹が立つ。
暗い、変人、社会性がない、
それは全部あなたの偏見でしょう、元村さん。

と述べられていますが、これは元村さんの偏見ではなく、社会一般の認識であると思います。ですから、理系白書は今現在の
社会一般の方々からの認識を研究者、技術者、製品・サービス生産者に提示してくれているのだと思います。

根拠は、以前のエントリー:博士の悲しい現実に書きましたが、「オーバードクター就職支援のための調査結果報告」です。以前のエントリーから関係部分を転載します。


オーバードクター就職支援のための調査結果報告」の調査結果2章2節39ページの「あなたの就職に関して現在、障害はありますか?」(複数回答可、回答合計2704)は参考になる調査結果です。

# 年齢が高い(359)
# マッチした採用用件が少ない(342)
# 職務経験・社会経験がない(318)
# 博士は使えないという認識(316)
# 自分の研究業績のなさ(294)
# 学位を見込める時期が遅い(264)
# ポスドクが認知されていない(204)
# 専門性が高すぎる(158)
# 就職活動の時期が早い(134)
# ポスドクになることが当然の雰囲気(102)
# その他(213)

このように、博士課程の学生自身が上記のように感じています。(上記博士課程は理工学系の博士課程の学生です)

ですから、元村さんの意見はとっぴな考えではなく、現時点での社会の主流であると考えた方がよいと思います。

また、ちょっと違いますが、博士課程修了者は融通が効かないようにみられているようです。

の75ページ


「今後の博士課程修了者、ポストドクターの採用について、増加するとは思わない理由」は、「社内で専門的能力を教育したほうが良い」、「博士課程修了のような高度な専門性を持つ人材は必要としていない」、「博士課程修了以上の学生は、特定の研究分野へ偏向しており、他の分野へ適応する能力が不足しがちである」の3 つが拮抗している。
まさしく、専門バカとみなされている結果だと思います。

真実や事実はいつも口に苦く、嫌な気分になりますが目をそむけるわけにはいきません。私は、理系白書の内容に納得いかなくても
この問題をとりあげてくれるメディアとして尊重し、ツッコミをいれていきたいと思います。

貴兄は、上記の資料を見ていかが思われますか?