榎木さんのTweetから。
大学院部会(第42回) 配付資料 資料4 大学院教育の現状について http://ow.ly/1VqhN かなり充実した資料。
(Twitter: enodon)
気になるところをメモ
- 7ページ:アメリカの大学院は、修士課程専門の大学院と博士課程専門の大学院があり、博士課程の入学に修士号を要求する博士課程専門の大学院は少ないとのこと
- ここは日本と制度がまったく違う
- 12ページ:主要国の大学の規模。アメリカは別格として、日本の人口1000人あたりの大学進学者数は20人。ドイツ24人、フランス14人とほぼ同等、イギリス30人と韓国40人にくらべるとかなりの差。一方で1大学あたりの人口数では17万人とイギリス(36万人)、フランス(65万人)、ドイツ(22万人)、韓国(26万人)を抑えて1位。つまり、一大学あたりの学生数が少ないということ。でも、学生あたりの教員数については日本は諸外国とくらべて少なかったような。
- 19ページ:米国と日本の教職員数の比較のグラフ。このグラフはヒドい。教員と職員の割合は、日本は47:53で、米国が44:56となり、あんまり比率が変わらない気がするけど、日本の職員数には附属病院の看護士などが職員の28%入っている。米国のうちわけを見るかぎり、それに対応する職員は見当たらない。附属病院の看護士などを職員数から引くと、日本の教員と職員の割合は64:36になる。
- 26ページ:博士課程修了者数および就職者数。日本の博士課程修了者で一番多いのは保健分野(30%くらい)だけどこれはなぜ?バイオなどもこちらに入っている?
- 33ページ:大学院における分野別学位の取得状況。これを見るかぎり、本当に日本で憂慮すべきは子供の理科離れでなく社会の人文学・社会学系離れではないかと思う。日本の失われた10年は、主に人文学・社会学系素養を持った専門家があまり輩出されなかったことが大きく影響しているのでは?
- 34ページ:取得学位別年収。学士と博士では年収差が平均1.56倍ある。修士と博士でも1.2〜1.4倍。高学歴を目指すインセンティブがあるということ。
- 40ページ:大学院への社会人学生受け入れ。これ、経済指標と重ね合わせたら傾向がわかるんじゃないかな。景気がよくなると社会人学生が増えるというイメージがある(修了後に再就職が見込めるため)。なので、社会人学生を増やしたければ、景気回復策を内閣に求めるのがよいかと。
- 48ページ:留学生の受け入れを本当にやるのであれば、ちゃんと現状を調査した方が良いと思う。大学が取り組んでいるかどうかを聞いただけじゃ意味ない。現状の指導教員任せはどうにかしてほしい。
- 53ページ:資金調達と資産運用について。非常にためになる表。国立大学法人は国立大学法人法第22条で規定された業務以外行えないみたい。
- 54ページ:国公立大学に対する税制について。個人からの寄付は控除対象。法人からの寄付は全額損金算入。これって、法人にとってみると課税所得をコントロールできるということなので既に制度上は寄付は魅力的な制度なのでは?アメリカとかは全額損金算入以上の扱いをしているということ?