日本の大学で留学生は学費無料というのはデマ

以下のツイートに4万3千万いいね。1万6千のリツイートがあるけど、留学生だから国立大学が無料になるとかはありません。日本人学生と外国人留学生で入学料や授業料の違いはありません。

たぶん、こういう記事のまた聞きのまた聞きなんだろうと思います。以下は2013年の記事。
toyokeizai.net

この記事の末尾に謝罪があります。

当連載記事に対し、「東洋経済オンライン」編集部と私のもとにいくつかの抗議が寄せられました。また、文部科学省は8月8日、「事実を誤認した内容の記事等が流布されている事例が見受けられる」として、留学生受け入れの意義と今後の留学生政策について省としての考え方を文書にまとめ、Q&A形式で公表しました。

今回、寄せられた抗議は、「記事が事実誤認に基づいている。私費留学生と国費留学生を区別していない」「全体的に記事が作為的である」「最近の日中関係からこうした記事により中国人留学生のバッシングが起こってはならない」などというものです。

私の表現が誤っていた点、乱暴に書いてしまった点を心よりお詫び申し上げます。

現在、日本に来ている中国人留学生で全面的に日本政府の奨学金(税金)で来ているのは、中国出身の全留学生8万6324人の内わずか1・6%(1411人)にすぎません(文科省の統計、2012年5月1日現在)。中国人留学生に関して「彼らの多くが私たちの税金(政府の留学生支援政策)で、日本に来ている」と書いたのは、明らかに間違った表現でした。

また、中国からの留学生が「みな一番手の学生ではないこと。二番手、三番手、あるいは落ちこぼればかりだ」と書いた点も配慮に欠けておりました。さらに、あたかもバイトばかりしていて、留学本来の勉学に励んでいる学生が少ないような印象を与えてしまいました。もちろん、そんなことはありません。きちんとやっている学生のほうが多数派です。

読者のみなさまに、誤解を与える表現をしてしまったことを、重ねてお詫び申し上げます。

こういう不正確な言説に対して文科省は以下のFAQを用意しています。
www.mext.go.jp

16年前から繰り返し流れている間違った言説について調べられています。
www.buzzfeed.com

留学生のほとんどは私費留学生です。私費留学生に関する調査は各年度行われているそうです。令和元年度調査によれば主たる収入は「アルバイト」「仕送り」とのことです。奨学金をもらっているのは全体の3割程度とのことです。
www.studyinjapan.go.jp

「国費留学生制度は外国人留学生優遇で日本人学生がかわいそうという」と思う人がいるのはわかります。しかし、留学生優遇措置というのは相互的なものですので、日本が国費留学生制度を止めた場合は、相手国も日本人学生に対する学費援助制度を止めてしまいます。各国の学費援助制度は以下のページなどで調べられます。
ryugaku.jasso.go.jp