許可だけでなくて金と人を出してくれないと6月中に大学で接種開始は無理では?

こんな「良きにはからえ」宣言されても。

www3.nhk.or.jp

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また加藤官房長官は、接種にあたってはモデルナのワクチンを使用し、接種の担い手や会場は、自治体が行う高齢者への接種に影響を与えないよう、各企業や大学などで確保するよう求めると説明しました。

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そのうえで「職域での接種は、接種券がなくても可能と考えている。ただ、その場合は後日、接種券が届いたら、接種を行ったところに持っていって登録してもらいたい。今月中旬を目途に接種券を配れば、よりスムーズに接種の登録が行われると考えている」と述べました。

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萩生田文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で、大学でのワクチン接種ついて「高齢者への接種に一定のめどがついた段階で、大学の教職員や学生、近隣の学校の教職員に接種を拡大することが重要だと申し上げてきた。若い人たちにも接種率を高めていただく拠点に使っていきたい」と述べました。

その上で「大学は7月以降夏休みに入るので、公立の小中学校や高校の先生、幼稚園の人たちにも会場に来ていただき、安心安全な2学期を目指したい。文部科学省としても全力で取り組んでいきたい」と述べました。

文部科学省によりますと、大学での接種は、学位を取得する目的で海外の大学に留学する学生も対象に含まれるということです。

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今回の話で好感触なところ

  • 大学を接種会場にできる
  • 学生が対象なので留学生も対象となる(よね?)

アレなところ

  • 6月下旬~7月は期末試験や成績評価で学生も教員も事務も忙しい時期であること。8月もオープンキャンパス、夏季休業(盆休み)、大学院入試などで予定満載。9月なら比較的余裕があるので対応できる。
  • 接種の担い手や会場は、大学などで確保しなければならないこと(大学病院を想定しているの?)
  • 予防接種の対象が大学周辺の学校や周辺住民まで想定されていること(大学が人員や会場を確保するのに!?)
  • 事務手続き(接種計画の管理や自治体とのすり合わせ)も大学が負担することが前提であるように見えること
    • 「接種券が届いたら、接種を行ったところに持っていって登録してもらいたい」って、それは大学のこと?
    • 学生の住民票移さずに大学周辺に下宿している学生の件が大学に丸投げ。いくつの自治体とやりとりするのやら。
  • 下宿生の副反応のケアについて考慮されていないこと→ 「コロナワクチン夫婦同時に打たないで」2回目接種後の高熱2割超 医師に聞く副反応対策
    • 期末試験のときに副反応で試験・レポート出せないとなったときの対応は?
    • 期末試験、成績評価の際に教員が副反応でダウンしたときの対応は?

政府と文科省にお願いしたい点

  • オリンピックに合わせるという辻褄合わせはやめる。
  • 大学での予防接種実施時期を8月後半~9月にずらし、自衛隊の大規模接種部隊を母体として、大学での予防接種会場を構築してほしい
    • 大学は会場の提供、学生への広報および接種計画の策定、接種状況の管理を担当
    • 自治体とのすり合わせは、現在の高齢者の大規模接種と同じようにする(大学はノータッチ)
  • 8月後半以降の大学での接種に向けて、下宿生に住民票の移動を働きかける(必要に応じて、住民票移動未届けの罰則の緩和をする)
  • 一人暮らしの学生向けの対応マニュアルの策定&周知を図る(周知は大学が行うので、マニュアルの作成を)
    • たとえば、接種前に自宅に常備しておくもののリストとか、不具合を感じたときや発熱時の対応とか
    • 近隣の病院への駆け込みを防ぐためにも、相談ダイアルを用意しておくのも良いと思う。
  • 留学生への対応(せっかくだから、大学から留学生の接種状況を報告させて、各国大使館に伝えて、アピールするのも良いと思う)。

追記(6/2 13:00)

5/27のNHK Webの記事で萩生田文科大臣が述べていることとだいぶ違う。以下の記事は私がお願いしたいと述べていることと近い。大学は会場の提供のみ前提。
www3.nhk.or.jp

新型コロナウイルスのワクチン接種の加速化に向けて菅総理大臣と萩生田文部科学大臣は先週の会談で、モデルナのワクチンの接種会場として大学の活用を目指すことで一致しました。

こうした中、文部科学省が全国の国公立大学や私立大学に接種会場としてキャンパスを提供できるかどうか意向を調査したところ、およそ300の大学が協力すると回答し、早ければ7月から順次接種が始まる見通しとなりました。

文部科学省は高齢者や基礎疾患のある人などへの優先接種にめどがつけば、接種会場を提供した大学の職員や学生にも接種することを検討しています。

政府が運営する接種会場としては自衛隊が今月24日から運営する東京と大阪の大規模接種センターに続くものとなり、これによって1日100万回の接種の実現に弾みをつけたい考えです。

萩生田大臣は26日の衆議院文部科学委員会で「アルバイト先を失った学生の皆さんに会場の誘導などのバイトに入ってもらうことも検討している」と述べました。

5/28のNHK Webの記事だと接種時期が早まっている。たぶん、同じ会見なのに。
www3.nhk.or.jp

これについて萩生田文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で接種会場として提供できると回答したのは、先週末の時点のおよそ300の大学からさらに増えて、26日の時点では350の大学に上ったことを明らかにしました。

そのうえで萩生田大臣は「できるならば6月の半ばぐらいから7月と8月の夏休み期間中を有効に使って大学を活用できたら一番いいと思う」と述べ、6月半ば以降、順次接種を開始することを目指す考えを示しました。

また、萩生田大臣は、接種会場となる大学で付属病院の医師などの医療系の人材を確保できる場合には、高齢者などへの接種の状況を踏まえながら、大学の教職員や学生にも接種することを検討する考えを示しました。

で、6/1の加藤官房長官の発言だと本エントリー冒頭のような記事なると。

先行する大学もある様子。
nordot.app

政府は1日、大学を会場とする学生らへのワクチン接種を巡り、東北大、広島大を含む7大学での実施を、他の大学に先行して進める方向で調整に入った。企業の職場接種は、日本航空やトヨタ自動車などが具体的な検討に着手した。日航は今月21日の開始を目指す。接種券がなくても打てる。政府は、全面的な展開をにらみ運輸、金融、農協など各業界側への実施意向調査をしている。

7大学は、ほかに帯広畜産大(北海道帯広市)、宇都宮大(宇都宮市)、豊橋技術科学大(愛知県豊橋市)、滋賀大(滋賀県彦根市)、京都工芸繊維大(京都市)の5大学で、会場提供が可能としている。

一方で、上記の発表は発表先行とのこと。
nordot.app

政府が大学での新型コロナウイルスワクチン接種の方針を打ち出したことを受け、先行実施の候補となっている7大学は準備を加速させる。ただ、ほとんどが「詳細は決まっていない」とし、本格的な調整はこれから。打ち手や会場の確保など課題は多い。政府が目指す今月21日は授業期間中に重なる。学生からは歓迎の声の一方、戸惑いも聞かれた。

候補の一つとなる東北大は、学生らの接種規模が見通せないとして会場を確保しておらず、担当者は「文科省や自治体と調整する段階。21日に間に合うかどうかは分からない」とした。付属病院の医師らは、高齢者対象の仙台市内の大規模接種会場に派遣している。

追記(6/5):会場提供調査と人員をそろえた自前接種会場調査は別

5/27に文科省が発表した調査は「ワクチン接種の会場として提供可能かどうか?」であり、6/1の政府方針「人員確保は自前で大学でワクチン接種を行えるか?」については6月3日に大学にアンケートが送られ、6月9日が回答締切とのこと。
www.mext.go.jp

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厚生労働省及び経済産業省より,自治体によるワクチン接種とは別に,自ら医師等を確保いただけることを前提として,各事業者による職域接種の意向の有無等を確認するためのアンケート調査がまいりました。
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回答締切:6月9日(水)まで
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