メモ:スキルマーケット

言われてみれば納得できる流れ。アウトソーシングからクラウドソーシングと発注先の不特定化が進むとともに、日々発生する業務を細分化することによるマイクロワークとする。マイクロワークへの報酬が通常は成果払いのみだったところに、時間払いという項目も入る。そしてできあがるのがスキルマーケットという概念か。

以下の記事で問題視されているのは実質「研究の代行」と代行せざる得なくなった環境であって、スキルマーケットというあり方はまだ議論の対象に入っていないと感じる。世界の潮流や国が推し進めている政策からすると、組織を超えたコラボレーション(そのコラボレーションが金銭的に行われるのか、信頼で行われるのかの違いはあれど)は別に悪い話じゃない。そして、存在が可視化されていなかった「スキル」の持ち主が可視化されるようになって、利用可能になるのは悪い話じゃない。

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研究者が研究技術を販売するビジネス「研究スキル売買」が広がっている。インターネット上のスキルマーケットなどで依頼を募り、学術論文の執筆支援などの見返りに料金を得る仕組みで、国内最大級のサイトでは現役の大学教授などを名乗る約120人がスキルを販売していたことが確認できた。匿名同士での売買が主流で、専門家は「研究能力の偽装につながる」と危険性を指摘しているが、学界のルール整備は進んでいない。

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こうしたサイトを介して研究スキルを購入して学術論文を完成させた関東地方の私立大助教の40代女性が毎日新聞の取材に応じた。女性は国際学術誌へ投稿する論文に盛り込むデータの解析や本文の執筆などに関する研究スキルを約8万円で購入したという。スキルの購入を禁止する決まりはないが、女性は研究倫理違反行為に該当する恐れがないか不安を感じている。

「スキルマーケット」という概念はまったく知らなかった。こういうスキルの裏付けを保証する仕組みとしてOpen Badgeなどのデジタルクレデンシャルの話がくるのか。
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