メモ:プチ鹿島さんでいう「お前同じ部屋にいただろう記事」の意義

YouTubeで毎週金曜日に配信されているダースレイダーさんとプチ鹿島さんの番組「ヒルカラナンデス」。それでちょくちょく面白がられている「お前同じ部屋にいただろう記事」について、やりあいが発生している様子。

当該の西日本新聞の記事。
www.nishinippon.co.jp

上記の記事に対して麻生事務所がそんな発言をしていないという文書をだしたとのこと。
www.sankei.com

菅義偉首相の退陣表明に関する西日本新聞の記事をめぐり、麻生太郎副総理兼財務相の事務所は10日までに、記事中の麻生氏が発言したとする内容は「事実に反する」として、記事の訂正と謝罪を求める通知書を西日本新聞社(福岡市)に送った。

このことに対して、「お前同じ部屋にいただろう記事」がいわゆる「こたつ記事」と同等じゃないかというような批判がもりあがっている。
togetter.com

私も「お前同じ部屋にいただろう記事」はフィクションであって、新聞記事にすることじゃないだろうと思っていたが、最近2回の「ヒルカラナンデス」を聴いて、そうでもないかなと思うようになった。直近の2回は菅総裁選不出馬から始まって、総裁選をどううけとるべきかなど面白おかしく説明してくれている。
youtu.be

youtu.be

2021年9月10日配信の「第72回」中で(開始後30分ぐらいから)石戸 諭さんの「ニュースの未来」の記述を引きながら、「お前同じ部屋にいただろう記事」の意義について語っている。

当該の本に関連することを石戸さんが述べているのが以下の記事の後段。当該部分を引用する。
www.huffingtonpost.jp

ニュースの3分類

私はニュースを3種類に分割して考えている。それは速報、分析、物語だ。

~中略~

物語

物語は、起きたことを深掘りし、裏に隠されている「ストーリー」を発掘し、一つの「物語」として描き出すスタイルのニュースだ。事象、人、会社……。

どんな些細なことでも、深掘りすれば表には出てこない「物語」のタネを多くの人は持っている。

人は物語ることから逃れることはできない。単なる事実関係の説明からは読み取れないことを、物語化することで理解しようとする。

~中略~

まさに「見てきたように本当のことを書いている」シーンから物語は動き出す。マスコミはまだ張っていなかったという描写から、そこに毎日新聞記者はいなかったと考えるのが自然だろう。なのにどうして、悟った表情だったとわかるのか。

それはシーンを描くために取材を重ねたからだ。東京地検の関係者、田中邸にいた家族や書生らに取材を重ねてシーンを組み立てていったことが手に取るようにわかる。

なお、石戸さんの「ニュースの未来」では、第1章で物語的記事の危険性についても述べている。

今回の西日本新聞の記事について、普通に考えたら麻生氏周辺 or 菅首相周辺の人に取材して、記事中の発言をしたという情報を入手したのだろうと思う。上でリンクしているTogetterのタイトルのように妄想で発言を作成していたら別の意味ですごい。