持ち時間に応じて、ちょうどよい情報を提供するのがポイント。「〜しました」「ああ、そうですか」という展開になったらおいしくない。進捗報告の基本的な考え方とやり方は、良い進捗報告のやり方を参照のこと。
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何を目的として、何を行ったのか。期待していた結果は何で、実際には何を得たのか。これをできる限り伝えるのが重要。
- 「何が目的か」を説明することにより
- 目的の妥当性を検討してもらえる
- 目的(ゴール)を提示することにより、「何を行ったのか」の適切性や妥当性を検討してもらえる
- 「期待していた結果は何か」を説明することにより
- 目的と期待していた結果の適切性、妥当性を検討してもらえる
- 行った方法が結果を得るために適切であるのかどうかについて検討してもらえる
- なぜ、期待した結果と差が生じているのかを検討してもらえる
「勉強しました」
良いコメントをもらう。もしくは、自分がやったことについてアピールするならば、以下の2点がポイント。理由は勉強の仕方の理由、および、勉強によって期待できる効果とのギャップについてコメントしてもらえるため。
- どのように勉強したのかを伝える
- 勉強したことにより何を得たのかを伝える
- 悪い例:
- 「Ruby on Railsについて勉強しました。」
良い例:どのように勉強したのかの情報がある
-
- 「〜をするために、Ruby on Railsの入門本「〜」を読み始めました。7章構成のうち4章まで読み、サンプルプログラムを組みました」
良い例:勉強の結果何を得たのかという情報がある。
-
- 「Ruby on Railsの勉強を通して5つのことができるようになりました。第一に〜。第二に〜…」
「まだ終わっていません」
良いコメントをもらうためには、何を目的として、何を行ったのか。期待していた結果は何なのか。を説明した上で、どういう現象が生じていて作業が終わらないのかを説明する。
- 悪い例:
- 「Ruby on Railsの勉強を終わらせる予定でしたが、まだ終わっていません。引き続きがんばります」
- 良い例:どういう現象が生じていて作業が終わらないのかの説明がある。
- 「〜をするためにRuby on Railsの入門本「〜」を読み始めました。7章構成のうち4章まで読み、サンプルプログラムを組みました。5章目を行うためには…という環境の整備が必要だったのですが、…をインストールしようとすると〜という現象が起こり、これが解決できず勉強がまだおわっていません。」
「調査中です」
何を目的として、どういう方法で、調査を行っているのか。そして、調査の終了条件は何かを述べる。また、現在までの調査結果を説明し、何が得られていないので調査が終了しないのかを説明する。特につまづきがちなのは、調査しているうちに何を調べているのかがわからなくなるということなので、調査目的、調査の終了条件、どうして調査を終了しないのかは必ず説明すること。
- 悪い例
- 「Ruby on railsの有用性について調査中です。」
- 良い例:調査目的、調査の終了条件、どうして調査を終了しないのかの説明がある
- 「〜という観点から・・・がRuby on Railsできるかどうかについて調査しています。調査方法は、Amazon.co.jpで・・・というキーワードで検索し、それにヒットした本のうち大学図書館に所蔵されている本を読み、・・・ができるかどうかを調べています。発行年数が新しい方から20冊読んで、・・・ができるかどうかの記載があるかどうかを判断します。現在は15冊を読み、・・・についての記載がないことを確認しました。大学図書館にはAmazon.co.jpでヒットした本がもうないので、近所の県立図書館で残り5冊を調べる予定です。」
「前回指摘された点を反省し・・・」
「注意しつつ〜をしました」「〜注意したいと思います。」はダメ。心がけで治るならばいろいろな話は楽チン。自分の調子が悪い時でも機械的に指摘された点を改善できる方法(システム)を提示するべき。
- 悪い例:
- 「前回〜という点について指摘されました」
- 「前回〜という点について指摘されましたので、そういうことがないように注意します。」
- 「〜が起こらないようにがんばります」
- 良い例:改善法についての説明がある
- 「前回〜という点について指摘された点は、・・・が原因で起こってしまったので、・・・が起こらないように〜という方法を採用し、**しました。」
「努力します」
証拠のない「努力します」は全く価値がない。アウトプットを積み上げて「努力した」ことを見せる。
JoJoの以下のセリフ
「『ブッ殺す』…そんな言葉は使う必要がねーんだ。なぜならオレやオレたちの仲間は、その言葉を頭の中に思い浮かべた時には!実際に相手を殺っちまってもうすでに終わってるからだ!だから使った事がねェーッ!『ブッ殺した』なら使ってもいいッ!」(プロシュート兄貴、ペッシに)第52巻
に倣うと「努力します」という言葉を使う必要はない。なぜならば、そう思っているならば手を動かしてアウトプットを出し始めているはずだ。「努力した」なら使ってもよいとなる。もちろん、「理想的には」の話。私もできていません。
アウトプットはどういうものがあるかというとたとえばこういうもの。
では、どうやれば「あなたが努力している」と教員が認識するようにできるかですが、基本的に指導教員に過程を成果の双方を見せつけます。指導教員はエスパーではないので、あなたの内面にあるものを見ることはできません。常にあなたの外にでてきたものだけが指導教員の評価の対象になります。
努力の評価対象は以下のとおりです。
指導教員が研究室であなたが研究しているのを知ったという事実(指導教員が知らなければ意味はない)
研究を行ううえでの課題や疑問
研究を行う上で今困っていること
文献調査の結果
実験方法の提案と実験結果
各種図や表
各種数式
プログラミングコードこれらを進捗報告のメール、ゼミでの定例報告、指導教員への個別相談などで、指導教員の目の前に見せ付ける必要があります。重要なのは、あなたがいくら努力していたとしても、上記のような評価対象となるアウトプットがあることを指導教員に認識してもらわなければ意味がないという点です。
(防御的研究室生活の手引きより)
私が考えるアピールの方法は大きく分けて4つ。
(研究室でのアピールの仕方より)