ヒッグス粒子発見の話が理解できない。

わからなさすぎたのでメモ。

小林教授: 私たちは「98.9%の確かさ」程度では、「発見」はおろか「兆候」とすら言えないと考えています。12月13日に東京大学で行った記者会見では、このことを強調したつもりでしたが、一部の報道では違ってしまっています。一般的には「98.9%」はほとんど「確か」と受け取られると思いますが、物理の世界では99.9999%、つまり9が六つ並んだ確率となって初めて「発見」と言えるのです。「確かさ」は統計学的にσ(シグマ、標準偏差※1)で表します。「98.9%の確かさ」はσで言うと「2.3σ」。素粒子研究の世界では3σ(99.7%)で「兆候」、「発見」と言えるのは5σ(99.9999%)が常識となっています※2。ですから、私たちの世界では、まだまだ「発見」とは言えないのです。

※1 統計学で用いられる値のばらつきを示す数値。

※2 正確に言うと、2.3σ(98.9%)は正規分布の片端の値のみで、3σ(99.7%)と5σ(99.9999%)は両端を合わせた値。片端に統一すると、2.3σ(98.9%)、3σ(99.87%)、5σ(99.99997%)となる。

この「加速器」の中で、原子を構成する陽子を2つ、それぞれ逆方向から光と同じぐらいの速さで飛ばし正面衝突させることで、極めて高いエネルギーが生み出し、ビッグバン直後に匹敵する超高温の状態を再現します。
このときに生まれるさまざまな粒子の中からヒッグス粒子を探し出すのが、高い感度を持つ巨大な「検出器」です。

We have observed a new boson with a mass of 125.3 ± 0.6 GeV at 4.9σ significiance.

ボソン boson
[統力] ボース‐アインシュタイン(Bose-Einstein)統計に従う粒子.光子,π中間子,偶数の同種粒子からなる原子核のすべて,および整数スピンをもつ粒子のすべて.

ギガエレクトロンボルト。素粒子の質量を表す単位。

質量の表現
粒子の運動エネルギーを表すだけでなく、粒子の質量を表すのにも電子ボルトが使われる。  エネルギーと質量は相互に変換するものからだ。E=mc^2 の式を使って換算してやればいい。

例えば電子の質量は 0.511 MeV、あるいは 511 keV と表される。  あらゆる素粒子の質量をこんな感じで表わしておけば、 加速器でどれくらいのエネルギーまで加速すれば真空からその粒子を生み出すことが出来るのか、 という感覚と直結していて分かりやすい。  kg の単位を使って表したのではどの値も小さ過ぎて、その辺りが実感しにくいのである。  最初はかえって分かりにくいかも知れないが、慣れの問題だろう。