完全にポジショントークになってしまうけど。いくつか気になる。
そもそも、米国と日本では、博士号の品質が大きく異なります。2011年4月20日付 の『Nature』誌に、日本を始め中国、シンガポール、米国、ドイツ、インド、など世界各国の博士号の問題点が論じられています。
Education: The PhD factoryで明確に論じられているのは日本では博士号をとっても就職できないということ。以下の部分はリンク先のエントリーの著者の意見(まあ、実際低下しているんでしょうが)。
さらに、博士号を取得する研究者 の質も低下しました。
以下の部分については、大学制度が違うのでなんとも。大学院(博士+修士)の話と博士の就職難の話をごちゃまぜで話すのを止めようでも書いたのだけど、大学院=博士課程なのか、大学院=修士課程+博士課程なのかで話が違う。修士に進学した学生のうち1割しか博士課程に進まないのだから、以下の言い方でいうならば日本で博士課程を取得できているのは大学院進学者の10分の1だけ(もちろん、大学制度がまったく違うのでこの言い方は意味ないけど)。
日本の場合、ほとんどの学生が、修士号取得後のわずか 3、4年で博士号を取得して卒業します。いわば、博士号の“安売り”とも言える状況です。
しかし 米国では、政府の報告によると、大学学士を得てから博士号を取得できるまでにかかる 平均年数は10.1年で、博士号を取得できた時点 の平均年齢は33.3歳です。しかも、最終的に博士号を取得できるのは半分程度で、多くの学生がドロップアウトします。ただし、博士号を取得すると、キャリアアップにつながります。
以下の意見には賛成なのだけど前段階はちょっと飲み込み辛い。
そして、今後の再発防止のために、日本の教育システムの改革も早急に必要だと思います。
関連過去エントリー
- 大学院(博士+修士)の話と博士の就職難の話をごちゃまぜで話すのを止めよう:ほとんど似た話が2009年のJ-CASTの記事にあった
- 国別博士号輩出数
- 国別大学の数と進学率:この進学率とPatterns of PhD productionsの図を見ると、日本の問題の第一は就職なのだと感じる。