道具からテーマを決める vs テーマから道具を決める

私の意見では、「道具からテーマを決める」でも「テーマから道具を決める」でもどっちでもよい。でも、「道具からテーマを決める」場合は、その道具を自家薬籠中の物にしていないとしんどい。特に道具にこだわりがないのであれば「テーマから道具を決める」方が「道具からテーマを決める」に比べて基本的には楽。目的は雨に濡れないことなのに「傘をさすことで雨に濡れない」と限定してしまうと解決法が制限されてしまう。タクシーに乗ったり、家から出ないで電話やWebで用事を済ますという選択肢の方が適切でかつ簡単な場合も多々ある。

長く研究者をやっている人の業績一覧を見ると、微妙にテーマがスライドしているのがわかる。これは、「テーマから道具を決める」研究をしてしばらくそれに勤しんだあとに、そのときに身につけた道具を利用して「道具からテーマを決める」研究をおこなうということをしているから。これは研究に限らず、いろいろなところで見られる現象。

4年生に自分でテーマを決めさせるという話については私は否定的。