学生を困った立場にしてしまうのは勘弁してほしい

最近,大学の先生達がG社を嫌っているという話を,いろいろなところで聞くようになってきた.もちろん,G社の中からも.どうも,これは人材採用に発端があるようだ.

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次に,「採用活動や情報収集活動はするのに,大学側への見返りがない」という話も聞く.確かに,G社と共同研究したり,G社で学生に論文を書かせて卒業させるという事例は(まだ)聞かないし,これは日本の大学側が熱烈に望んでいることであろう.

大学としては、部局レベルでの講演会をしてくれるだけでもうれしい。以下、話変わって。

大学の部局単位でサポートしているイベントやサークルは、外部からみたらその部局の一部と思われる。そのため、そのイベントやサークルのメンバーを不公平に依怙贔屓してしまうと、そのサークルに入っていない他の学生や外部の人間が公平性という観点から批判をしてきたら如何ともしがたい。だから、そのがんばりや功績を評価する際にも公平性に留意して、サークル外の人間も納得できる形で行うようにしている。

で、そのようなサークルがコンテストで優秀な成績を収めたとき、G社もその優秀なメンバーを狙ってくるわけですが、これが全く公平じゃない。こっそりとそのメンバーに働きかけ、他のメンバー共々、社内見学をさせたりしているみたい。学生は上記の視点がないから無邪気に教員に報告してくれちゃうのである。で、教員はそれを聞いてしまったら、立場上状況によっては制止する、あるいは叱る。そうすると、学生は悪意がなくやったことなので、教員を恨む、あるいは板ばさみになり困ちゃうのである。なので、やるなら表から筋を通して(就職担当経由で)やってもらうか、完全に隠密にやっていただきたい。

昨今は、博士課程の先のキャリアパスが難しいこともあるので、学生がG社のような素晴らしいところに進むのを止める気持ちは少なくとも私にはない。むしろ、うれしい。でも、建前があり、建前を外部から攻められるとどうにもこうにもできないのが現実。ぜひ、大学の教員の立場も勘案した上で、日本の大学でも受け入れやすい形式で人材獲得活動をしてくださるようお願いしたい。