メモ。党派的なやりとりになっている気がするので事実ベースで結果を改善して欲しい。
福島原発事故後、ツイッターによる積極的な発信で名を知られる物理学者で、放射線影響研究所評議員も務める東京大学の早野龍五名誉教授が、倫理委員会の承認を受けないまま、伊達市民の被ばく線量データを解析し、ICRP(国際防護委員会)の会合で発表していたことがわかった。同研究は、毎時0・23マイクロシーベルトという除染目標を緩和する根拠の一つ。政府は、帰還困難区域の避難指示解除にあたり、被ばく防護策の中心に「個人線量」による被ばく管理を据えるが、これも同研究が影響している。同研究をめぐっては、伊達市による不正な情報提供が疑われているが、国の被曝防護政策の転換に根拠を与えている研究で、新たな問題が発覚した格好だ。
- 2018年12月28日: 個人被ばく線量論文、同意ないデータ使用か 東大が予備調査 - 毎日新聞
東京電力福島第1原発事故後に測定された福島県伊達市の住民の個人被ばく線量のデータを基に、早野龍五・東京大名誉教授らが英科学誌に発表した2本の論文について、東大は27日、「本人の同意のないデータが使われている」などとする住民からの申し立てを受けて予備調査を始めたことを明らかにした。
毎日新聞の記事によると、指摘された問題点は
- a) 論文では、約5万9000人分のデータを解析しているが、約2万7000人分について本人の同意を得ていない
- b) 論文の著者の一人が所属する福島県立医大の倫理委員会に研究計画書の承認申請を行う前の15年9月に早野氏が解析結果を公表している
- c) 図の一部に不自然な点があり、「線量を過小評価するための捏造が疑われる」 の3点であり、
早野氏は、 (a) については「適切なデータを伊達市から受け取ったという認識で対応していた」(c)については「計算ミスがあり、線量を3分の1に過小評価していたとして出版社に修正を要請した」としているとのことで、(b) についてはノーコメントであるようです。
- 2019年1月16日:市民の被曝線量を過小評価した論文 専門家が新たな疑問:朝日新聞デジタル
知りたいこと
3分の1に過小評価していた(3か月ごとの累積データを1カ月ごとの累積データとしていたとのこと)とのことだけど、これを3倍したときにどのくらいのインパクトがあるのかがわからない。
本日1/8,文科省記者クラブに「伊達市⺠の外部被ばく線量に関する論⽂についての⾒解」を貼出いたしました.70年間の累積線量計算を1/3に評価していたという重大な誤りがあったことと,その原因,意図的ではなかったこと,今後の対応,伊達市の方々への陳謝などを記したものです→ pic.twitter.com/OuHJKXZmY2
— ryugo hayano (@hayano) January 8, 2019
当該論文
当該論文。
- Individual external dose monitoring of all citizens of Date City by passive dosimeter 5 to 51 months after the Fukushima NPP accident (series): 1. Comparison of individual dose with ambient dose rate monitored by aircraft surveys - IOPscience
- Individual external dose monitoring of all citizens of Date City by passive dosimeter 5 to 51 months after the Fukushima NPP accident (series): II. Prediction of lifetime additional effective dose and evaluating the effect of decontamination on individual dose - IOPscience
高エネルギー加速器研究機構の黒川真一名誉教授の当該論文に対する指摘