この経済政策が民主主義を救う: 安倍政権に勝てる対案を読了。共産党や社会党が金融政策を批判している中、左派なのにリフレ政策を主張する松尾さんの著書。リフレ政策、金融政策、流動性のわな、インフレ―ターゲットなどのキーワードを手早く理解するならば、この一冊を読むと良くまとまっていると思う。2016年までの「アベノミクス」がどういう成果をあげて、何ができていないのかを知るにも最適。
安部政権押しの人だとはじめにや途中の論調で「何!?」と血圧あがるかもしれないけど、安部政権押しの人ほどこの本を読んで、この本に書いてある政策を他の安部政権押しの人に勧めたらよいと思う。この3章に書かれている政策を安倍政権がやりはじめたら、野党は絶対勝てない。私は安倍政権だろうが他の政権だろうが景気をそこそこにしてくれるのならばそこを支持するので、何の理由だろうが弱者救済の政策をとってくれるならばそれはそれでよい。でも、自民党はやらないだろうなぁ。
お金刷っても国民は買いたいものがないから使わないので意味ない。という話を聞くけど、ニュースや身の回りの話を聞く限りではいろいろな問題のほとんどが「金がない。金があればどうにかなる」という話ばかりなのはいったいどういうことか。介護にせよ、保育園にせよ、10年間ぐらい国債で雇用費を手当てしたら、それが呼び水となってそこそこ経済回るよういなると思うのだけど。
関連過去エントリー
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- リフレ話に絡みたいときのチェックポイント:2009年のエントリー。今となっては信じられないところが論点となっている。
- リフレ話リンク:このリンクの内容は松尾さんの本を読めばひととおりわかる。
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- 「不安」を「希望」に変える経済学