指示する側に回ってわかる質問してくれる人のありがたさ

大学院に入って後輩ができて質問する側から質問される側になり、そして教員になって質問への回答がそのまま指示として受け取られるようになって思うのが「相手の立場にたって、自分が伝えたいことを100%伝えるのは非常に難しい。ほぼ、無理。」ということと「常に正しい/適切な回答や指示を求められるのはすごく辛い」ということ。

なのでTogetter:就職活動において重要なのは「質問する事」と「恋愛観」 by 4.5Pさんの話はすっごくよくわかる。質問できる人とできない人ならできる人欲しいよなぁって。その上で、以下のコメントにすっごく賛同する。

https://twitter.com/yontengoP/status/629086005170077696:twitter

教員の指導方針によって大きく変わるし、どれが正解ということはないと思うけど、個人的困る度 or 有難い度で整理すると以下のようになる。

  • 困る度SS級:「分かるけど作業しない」
    • 基本的に手助け不能な状態
    • 研究室にいて、この状態を発見できればよいのだけど、そうでなければ手助け不能
    • 一応、理由は探るけど、その理由によっては教員が手を出すべきことじゃないので本人の自由意志を尊重してそっとしておく。
  • 困る度S級:「分からないので作業しない」
    • 「分からないままにしちゃう」というマインドセットといい、その上で作業を行わないという選択といい、かなりの難物。
    • 研究室にいて、この状態を発見できればよいのだけど、そうでなければ手助け不能
    • 作業しない理由から解きほぐして「分かっていない」という状態を認識させ、どうやってこういう状態を抜け出せば良いのかを教えるところから手助けが必要なパターンが多いと思う。抜けだし方がわかっている場合は何かしらのアウトプットを出してくる。
  • 困る度B級:「分からないままに作業する」
    • 困るけれども作業が何度も行えるものであるかぎり、それほど深刻ではない。なぜならば、何かしらのアウトプットが出るはずなのでそれをみれば状態がわかるため
    • また、作業してみるとわからないこと、検討すべきことが明らかになるため、「分からない」の解消手段として小さく始めるのはうまい方法(卒業研究につまづいている人へ:範囲を決めてとりあえずザッと終わらす
    • ただし、研究室にいない&アウトプットを見せないタイプだとA級〜S級へと化ける。見当違いの方向に頑張る→評価されない→さらに頑張る→評価されない… というスパイラルで卒業研究・修士研究時の悪循環を防ごうの状態へ。

== 質問するかどうかの大きな壁 ==

  • 困る度D級:「分からないまま作業をして後になって聞いてくる」
    • 「分からないままに作業する」人はだいたいこうなる。正常。最初の数ヶ月〜1年ぐらいはこうなってもしょうがない。
    • でも、難度や熟練度に関係なく、いつでもこの姿勢のままだと同級生や先輩、教員はうんざりしてくるかも。学習重要。

== フォロー対象者から共同研究者へ変わる壁 ==

  • 有難い度 B級:「作業前に質問しに来る」
    • とってもありがたい。たとえ、それが「そんなのGoogle先生に聞けよ!」ということでもありがたい。
  • 有難い度 S級:「作業前にある程度自分で調べて、そのうえで質問に来る」
    • 「分からない」ままにしておかないマインドセット&「分からない」を解決する手段を持っているという人材なのでありがたい。
    • 個人的目標は、卒論生をこのレベルにして社会に送り出すこと。そうしたら、ほとんどの人にとってハッピー。
    • 「なんでも質問する」姿勢と「ググってから質問する」行動
  • 有難い度 SS級:「作業前に自分で調べて、そのうえで確認に来る」
    • 重要な事柄や、やり直しがしづらい事柄、また、教員・先輩・同級生と共同で行わなければならない事柄について、確認をとってもらえると最高にありがたい。
    • 何にでも確認を求められるとうんざりするけど、それは確認をとるべき事柄の基準をこちらが説明すればよいだけのでこちらの責任で対処するべき。
  • 好き度 A級:「作業自体の位置づけについて意見・確認に来る」
    • 好きとしか言いようがない。
    • でも、正論ほど頭にくるものはない。己れが間違っていることを認めるのはどんなことでも楽しいことではない。己れに言い聞かせる。