本当に文章を書けない人はやっぱり文章作成を0→1の点に注目して練習するべし

デマこいてんじゃねえ!:文章を「書ける人」と「書けない人」のちがいを読んで、想定されている文章を書けない人のレベルがすっごく高いなぁと思ったので、私も書いてみる。

私の認識では以下の3つ基準は違う。

  1. 文章書けるか書けないか
  2. 書いた文章が自分の伝えたいことを余すことなく含んでいるか
  3. 書いた文章で自分の伝えたいことを読者に適切に伝えられるかどうか(良い文章が書けるか、書けないか)

3の基準で「文章を書ける、書けない」と判断しているのならば、デマこいてんじゃねえ!:文章を「書ける人」と「書けない人」のちがいで述べられていることはそのとおりだと思う。ここで述べられていることは、まさに良い文章を「書ける人」と「書けない人」の違いを表している点であると思う。

一方で、1の基準すなわち、0→1の段階「文章が書けるか、書けないか」で本当にそれが苦手な人がいる。苦手な人も「何を書けばよいのかがわからない」という種・テーマが見つからないという点で苦手に思う人と、「どう書けばよいのかわからない」という技術的な点で苦手に思う人に分かれる。

「何を書けばよいのかがわからない」という点は、小説や脚本、ゲームシナリオなどの創造的な文章を書こうとすると致命的で、これについてもデマこいてんじゃねえ!:文章を「書ける人」と「書けない人」のちがいで述べられている100→1という手法は種・テーマを探す、明確化する手助けとなる。

小説や脚本、ゲームシナリオなどの創造的な文章を書こうという目的がなくとも、日々生きていく上で、小論文、レポート、エントリーシート、論文、申請書、報告書(日報、月報、議事録)などの作成を命じられる場面も多い。この場合、「何を書けばよいのかがわからない」という点よりも「どう書けばよいのかわからない」という点が問題となりやすい(何を書くかは既に指定されていることが多い)。こちらの方は、いろいろと訓練方法や0→1を0→0.1とするような技法が提案されているのでそちらを利用して、まずは0を脱する方法を身に着けた方が良い。

読書猿Classic: between / beyond readers: 文章の型稽古→穴埋めすれば誰でも書ける魔法の文章テンプレートで紹介されている石原大作著:とりあえずの国語力は、「どう書けばよいのかわからない」という点を克服するための良い本だと思う。

1→10、および、10→100の技術的な点について、どういう技術や気を付けなければいけないポイントがあるのかと知る(not 身に着ける)本としては、最近読んだ三森ゆりか著:大学生・社会人のための言語技術トレーニングがお勧め。これを読んでおくと、ばらばらに学ぶであろうエントリーシート、小論文、卒業論文の作成技術やコツを自分の中で統合できるようになる。この本は、練習問題&その解答例も載っているのだけど、独習で言語技術を身につけるために使うのはちょっときつい。可能ならば、論文や報告書、申請書を何度か書いたことのある人にこの本を読んでもらい、その人を先生として輪講するのが最も効率が良い学び方だと思う。でも、そのような輪講を開けない人でも、各言語技術の用語、目的、注意点を知っておくだけでも、以後、文書作成時に学べることが飛躍的に増えると思う。