衣食住が整い不満がでる状況

福島第一原発事故の詳細を週末ごとにしか追っていないのだけど、今週末は東京電力および、これまで解説者として登場してきた原子力関連の大学教員への批判が噴出している印象だった。南関東以南では、地震によるショックが和らぎ、食べ物、着るもの、住むところがある程度満たされたので、地震前の日常とのギャップが目に付くようになって、イライラする時期なのだと思う。

15日の段階から状況は悪化しているの?

前回、自分の理解をまとめてみたのが15日。

日経新聞:汚染水が状況好転阻む 福島原発、3つの可能性を見る限り、悪化はしていないんじゃなかろうか。急激に良くなってもいないけど。悪いニュースが続くのは、やっといろいろなところが計測できるようになったからだと思う。情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊):福島第1原発の深刻な状況を東電が明らかに〜副社長会見では依然として指名されないが…に列挙されている疑問は、使用済み核燃料プールへの放水の前あたりで既に説明されていたような気がする。

野菜や水道水や海水から通常よりも高い放射線が検出されたというニュースも、15日の段階で原子炉の外に放射性のヨウ素セシウムが検出されているのだから想定内の話では?なので、重要なのは検出されるかどうかではなく、量が問題。

健康に被害のある量が流出しているの?

現状は私にとっては許容範囲かなと思っている。リスクの許容量は人によって違うので、まずはこちらを読むことを推奨。

上を踏まえてこれを読み自分で判断する。

東京電力の金の力で専門家もマスコミも黙らされている

以下のような意見を何度か見た。

寄付講座だけで、東電は東大に5億円も流し込んでいる。一方、長崎大学は、その買収的な本性に気づき、全額を東電に突き返した。水俣病のときも、業界団体は、東大の学者を利用して世論操作を行い、その被害を拡大させてしまっている。いま、同じ愚を繰り返してはならない。

スポンサーを悪く言いづらいのは誰でも一緒なので、100%信用できるかといえばそうでもないと思う。でも、そんなの程度問題だから、こういう状況では発言内容の理屈と根拠で判断するしかない。

また、5億円は大きな額ではあるけれども東京大学の外部資金獲得額は600億円ぐらい。年間の予算は2000億円ぐらい。なので、5億円で東京大学の全部の先生を黙らせるのは難しいと思う。緊急時に組織をひとくくりにして判断のコストを下げるのは一つの有効な情報処理方法だけれども、余裕がある人は、個々の発言で考えた方が良い。

ただし、個々の発言で考えるというのであってもこんなのはダメだと思う。まあ、個人的に@team_nakagawaはTwitterでなく、ブログを使った方が良いとは思うけど。

一方で、現在の状況で、水道水を煮沸することでヨウ素を減らせるという話をツィートしてしまったのはよろしくなかったと思う(平常時なら、すぐに訂正した正しい情報を流したので問題ないと思う)。

ちなみに、東京電力からの寄付金をたたきかえしたといわれる長崎大学の方も現状ならば大丈夫であると主張している様子。

そんなこといったって、基準を場当たり的に上げているじゃない

確かに基準値を引き上げて「はい、基準値以下だから大丈夫です」と言われても信用はできない。どうやら、緊急時(非常時)の基準と平常時の基準の二つが存在し、現在は緊急時の基準を適用するように舵をきったように思われる。すなわち、なんだかんだいって、南関東被災地ということですね。計画停電実施されているし、余震は毎日あるし。

手間をかけるしかない

私も延々と専門家のリンクを列挙しているだけなので人のこと言えないけど、以下の記事を読んで「騙される!」と思った人は情報収集の際の手間を増やした方が良い。