明日へつながる弱音の吐き方

弱音を吐くのは人間らしい行為なので遠慮はいらない。おおいにやるべし。ストレスの解消の第一は、自分が何にストレスを感じているのかを言語化し、説明できるようにすること。モヤモヤした何が対象だかわからないストレスほどダメージがでかい。ただし、弱音を吐くタイミング、場所、方法はよく検討したほうがよい。

  • 相談相手は、あなたが弱音(愚痴)をこれから話すことを了承しているか?
  • あなたの弱音を変に解釈して、傷つく人や怒る人、あなたを非難する人が周囲で聞いて(見て)いないか?
  • あなたの弱音(愚痴)は本当に誰かに聞いてもらう(読んでもらう)必要があるか?

弱音を吐くことで自分が何に対してプレッシャーや危機感を感じているかを明らかにし、自分のストレスを軽減することができるが、十分にストレスの解消ができたならば次はあなたにプレッシャーや危機感を与える対象をどうにかしなければならない。

そのとき、解決方法や緩和方法(状況を今よりは良い状態にする方法)を見つけ出すためには、それなりの技術がいる。

多くの場合、ぽろっとでる弱音はワンフレーズである。

  • 「今日の数学のテストまったくできなかった」
  • 「今日の数学の授業まったくわからなかった」
  • 「研究がぜんぜん進まなかった」
  • 「やらなきゃならないのにサボってしまった」

このワンフレーズ弱音から、未来へつながる解決方法・緩和方法を探すのは難しい。ワンフレーズをもう少し分解する必要がある。頭の中で大人な自分と弱音を吐きつづける子供っぽい自分の2つの役割を作り、大人な自分が子供な自分に問いかけてみるとよい。そのときの基本的な方法は問題の分割と逆の視点の列挙である。

  • 「今日の数学のテストまったくできなかった」
    • 分割:「どの問題ができなかった?」→「その問題の何がわからなくてできなかったの?」
    • 逆の視点の列挙:「できた問題は何と何?」(分割を逆の視点から行う)
  • 「今日の数学の授業まったくわからなかった」
    • 分割:「授業のどこらへんがわからなかったの?」→「何が分からなかったの?言葉?定義?解き方?」
    • 逆の視点の列挙:「授業で分かったところはどこ?」(分割を逆の視点から行う)
  • 「研究がぜんぜん進まなかった」
    • 分割:「何の作業を行おうとして詰まったの?」→「何故その作業が詰まったの?状況と原因は?」
    • 逆の視点の列挙:「何の作業は終わったの?」or 「終わらせなければいけなかった作業は何?本当に終わらせる必要があったの?」(分割を逆の視点から行う)
  • 「やらなきゃならないのにサボってしまった」
    • 分割:「やらなきゃならなかったことは何?」→「それをやらなかった理由は何?」
    • 逆の視点の列挙:「サボったことによって得られた利点は何?」(分割を逆の視点から行う)

ワンフレーズ弱音を2段階分解できると、自然と解決方法・緩和方法が見えてくる。次の問いをすると良い。

  • 「自分が弱音を吐いた原因はわかった、じゃあ、これは自分が変われば解決・緩和できる問題?」→ もし自分が変わっても無理ならば誰かに援助を求める
  • 「自分が変われば解決・緩和できる問題なのはわかった。じゃあ、最初の一歩は何を始めたらいい?、その一歩は1時間以内に終わる?」→ 1時間以内に終わらないとしたら一歩目がでかすぎるのでもっと簡単なことから始める
  • 「最初の一歩は1時間以内にできることがわかった、じゃあ、いつ始める?」

1時間という単位は状況や性格に応じて適当な時間にすればよい。