まとめ
警視庁:振り込め詐欺にある対策を親に伝えておこう。
少なくとも以下の対策をとってもらうことにしよう
- ナンバーディスプレイ対応電話にしてもらう(あるいはあなたがプレゼントする)
- 通常は留守番電話で受けてもらうようにする
- 携帯電話以外のあなたの連絡先を2つ(自宅電話、職場直通電話、Skypeなど)を伝えておく
- 「携帯電話の番号を変えたから」という電話があったら以下のように対処してもらう
- まずは、元の携帯電話の番号に電話をかけてもらう
- 電話先では話題に上らなかったあなたの連絡先に確認の電話・メールをかけてもらう
- 不審な電話があったときの相談窓口をあらかじめ用意してもらう(あなたが地元の警察の相談窓口をネットで調べてあげて親に教えよう)
あなたは以下のことを甘受しよう
- 電話やメールでのあなたの発言を親が即座に信じてくれないということ
- いちいち、複数の連絡手法で確認をしてくるということ
- 仮に親が振り込み詐欺に騙されたとしても親を責めないこと
本文
今朝、親から電話があり「あんた、昨日より体調よさそうだけど、もう、病院いった?」という電話がかかってきた。私は、昨日は朝から深夜まで大学で仕事をしていたので親に電話をかけていない。何のことやらわからず、しばらくやりとりをしたところ、どうも、私を騙って誰かが親に電話をかけたらしい。
経緯は以下のとおり。
- 夜7時くらいに実家に電話がかかってくる
- 母親が電話をとると非常に弱弱しくかすれ声の息子(つまり私)からの電話だった。曰く、
- 急な高熱でとてもしんどい(39度近くあると主張)
- どうすればわからなくなったので電話をした
- 携帯電話は故障し、修理中なので使えない。とりあえず代替の電話を使っている。なので、連絡があるときはこちらの電話番号にかけて欲しい
- 明日の午前中は誰か実家にいるかどうか知りたい
- 母親はこれまで3回ほどオレオレ詐欺の電話に出たことがあり、今回もそれを疑う
- まず、私の自宅の電話にかける。私は大学にいるので電話にでなかった。
- 伝えられた携帯電話に折り返し電話をかける。ニセ息子が出る。
- (この時点で母親、父親ともに信じて心配する。また、お金の話は特にでていない)
- 翌朝、もういちど私の自宅の電話にかける。私が電話にでて騙り発覚
お金の話がでていないこと、また、ある時間に在宅かどうかを確認していることから、振込み詐欺の事前準備か、空き巣のための事前準備であることが予想される。とりあえず、親には地元の警察に相談するように助言した(その後、近所の交番に相談し、定期パトロールの順路にしばらく入れてもらうようにしたとのこと)。
親と私の敗因
親が子どもを心配するのは当たり前。「自分の子どもが死ぬ/非常につらい目に会う」と「もしかしたら騙される」という二つの選択肢があるときに安全策をとって親が前者を選んでくれるのは子どもとしては大変ありがたいこと。だから、親が私を心配したというのは別に何の問題もない。問題は、本人認証の手順(プロトコル)の不備にある。
私の敗因は、自宅にいないときには職場に電話をかけてみるということを親に徹底できていなかったこと。
親の敗因は「携帯電話が故障した」と言った相手が私でないという可能性があるのに、教えられた携帯電話番号を使って本人確認の念押しをしてしまったこと。別連絡方法で私に連絡がつくまで、電話先の相手を信じてはいけなかった(最終的には、別連絡方法で私に連絡がとれたので事なきを得たわけだけど)。
どうすればよかったか
認証を求めてくる相手が提供していない情報を使って、本人の認証をするべき。
まず、電話を受けた時点である程度、相手の言うことを信じてしまうのはしょうがない(だって、不意打ちだし、向こうは十分に準備をしているし、場慣れしているし)。一度、電話を切った後の対応を改善するしかない。
以下をフローチャートのように見やすくレイアウトし、実家の電話の近くにおいておくと良いと思う。
- 電話を受けた会話の中で何とか今現在の居場所を確認する(別方法で連絡することは絶対に伝えない)
- 電話を切ったあと。電話での会話中では登場しなかったあらかじめ知っている連絡方法で本人確認をする
- 携帯電話の故障が伝えられていても、元の携帯電話の電話番号に電話をかける
- 最近の携帯電話なら携帯電話本体の故障ならSIMを入れ替えるだけで良いはずなので、電話番号は変わらないはず
- 携帯を紛失した場合は、普通は停止させるので、対応するアナウンスが流れるはず
- (居場所が自宅なら)家の電話へかける。
- (居場所が会社なら)会社の電話へかける。
- (居場所が上記以外なら) そもそも、親がどうにかできることはないので待つ
- 携帯電話の故障が伝えられていても、元の携帯電話の電話番号に電話をかける
あなたができること
というか、私がやるべきこと。
おわりに
朝の電話を受けたときは頭の中で「世にも奇妙な物語」の音楽が流れた。親に「あんた昨日電話かけてきたでしょ?」と言われたときに「あれ?俺は昨日電話をかけたっけ?」と自分の昨日の行動が一瞬思い出せなくなったので、親が騙されかけたのにもとても納得した。