Kyoto Shimbun 2008年6月14日(土)
「京大博士」 変身大作戦 72人10月から 求人増狙い
専門知識だけでなく幅広い視野や国際性を兼ね備えた「博士」を育てようと、京都大は10月から、博士号取得者を1年間にわたって民間企業や海外の研究機関に派遣したり、企業との共同研究に参加させるプログラムを始める。日本の科学分野を引っ張る人材を養成し、「博士は堅い」と思いがちな企業のイメージを変えて求人増にもつなげる狙いだ。
プログラムの計画期間は5年間で、工学、薬学の両研究科で博士号を取得したか、取得する直前の計72人を対象にする。
■ 民間、海外に派遣/共同研究参加
京大は、産学連携で協力関係を結ぶ企業に対象者を派遣し、多様な分野で活躍する研究者らに自らの研究内容を説明させて議論したり、共同研究に加わって研究チームの運営管理を学ばせたりする。国際性や語学力を養成するため、海外の企業や研究機関にも留学させる。1年間の研修中、大学は対象者と雇用関係を結び、月約10万−30万円を給与として支払う。
修了者は、民間企業で専門だけに特化しない幅広い分野でリーダーとして活躍したり、政府や国連の関連機関などで、科学技術の発展に向けた政策立案を行うことなどを期待しているという。
プログラム推進担当の森澤眞輔・工学研究科副研究科長は「民間企業から博士取得者は融通が利かないとの批判もある。このプログラムで科学技術立国・日本の基盤を形成するリーダーとなる人材を育て、求人が増えることも期待したい」と話している。
いろいろな試みがあるのは良いこと。でも、またこれで資本力がある大学とそうでない大学に差がつくな。