修士課程への進学がキャリア形成の負の要因になるか確かめる

TwitterのTLのおすすめで以下のツイートが流れてきた。博士課程(博士後期課程)への進学の場合、2022年の日本では進路選択に負の要因が発生するけれども、修士課程(博士前期課程)への進学ならば、基本的には中立か正の要因となると思う。

上記のツイートのとおり、教員と学生、学生の保護者全員が「勉強したいならば大学院に進学したら?」と考えられるようになればすばらしい。ただ、数年間で状況がすぐには変わらないと思うので、まずは進学しようとしている方が自分の納得のために修士課程への進学がキャリア形成の負の要因になるか確かめるのがよいのではないかと思う。

私の所属学科(計算機科学系)には毎年、多くの企業から求人票が送られてくる。ちらちらみるかぎり、新卒採用の対象として学士号取得者のみならず、修士号取得者も含まれている。そして、新卒対象としてみなされる年齢に関する制約は学部卒だと22歳+2歳、修士修了だと24歳+2歳が多いと思う。また、ICT系の企業の多くは文系卒業・修了者も採用対象としている。

以上の状況があるので、文系で修士課程に進学しようと考えている方は、まずはご自身の所属学科・学部・大学に届いている求人票を20~30件ぐらいぱらぱらと眺めて、以下についてどういう状況なのか確認すると良いと思う。

  • 修士号取得者を新卒採用の対象としているか?
  • 学士号取得者を新卒採用の対象としている場合、年齢制限はどうなっているか(22歳+2歳かどうか)?
  • 出身学部の制限があるかどうか?

修士号取得者を新卒採用対象としているならば、修士課程へ進学してもキャリア的には問題ない。求職活動時に修士課程で学んだ事柄が当該会社の業務に役に立つことをアピールすればよいだけ。せいぜい、口下手な理工系学部卒と同じぐらいの不利だと思う。ICT系の会社を数社回れば、文系出身の人なんて大量にいる(そもそも計算機科学系の出身者が足りない)。

修士号取得者を新卒採用対象としていないならば、最悪、学部卒の枠で求職活動をしたらよい。浪人や留年していなければ、24歳で修士号とれるので、学士号取得者の新卒年齢制限にぎりぎり入れる。なんで、修士号とったのに学士号取得者の枠で求職しているのか問われたら、大学院進学は浪人、留年、留学と同じだと言いくるめればよい(浪人や留年許すなら、大学院進学なんてお得感満載だし)。もちろん、これは自分をディスカウントしているし、かなり強引なやり口だけど、ご飯食べないと死んじゃうし、ご飯食べるにはお金必要なのでしょうがない。中途採用枠よりは目があると思う。

新卒に年齢制限あるのは日本企業の特徴なので、外資企業やベンチャー行けば関係ないのだけど(もろもろの理由で+2歳を超えている学生には今までこのように紹介してきた。実際、就職できている)。

想像とか、心意気でなく、証拠に基づいて修士課程への進学がキャリア形成の負の要因にならないと判断できれば、周りからの意見にダメージ受けづらくなると思うので、ぜひ、まずは確かめてみてはいかがかと思う。