リンク:いわゆる「アベノマスク」の評価

感想

リンク集作ってみた感想は以下の通り
「アベノマスク政策がマスク流通状況の改善に多少効果あったかもしれないが、費やしたコストに対する利点が少ない。実際の配達業務を行った市区町村や日本郵政などを本政策で無駄遣いしたということも評価にいれるべきだと思う。」

アベノマスク

いわゆる「アベノマスク」は、2020年4月から行われた布マスクの全戸配布(1.3億枚)&追加配布(8000万枚、批判を受けて配布は中止)の政策のこと。

厚生労働省:布製マスクの都道府県別全戸配布状況
www.mhlw.go.jp

厚生労働省:布マスクの全戸配布に関するQ&A
www.mhlw.go.jp

問1 布製マスクを全戸配布する理由はどのようなものですか。なぜ2枚なのですか。

布製マスクは、使い捨てではなく、洗剤を使って洗うことで再利用可能なマスクです。店頭でのマスク品薄が続く現状を踏まえて、確保の目途が立った布製マスクを、国民の皆様に幅広く、速やかに配布するために、日本郵便の配送網を活用し、全国の世帯に向けて、1住所当たり2枚ずつ配布することとしたものです。

契約や予算などについて
digital.asahi.com

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菅義偉官房長官は28日の記者会見で、介護施設や保育所などに配布する布マスクの調達費用が247億円になると明らかにした。これまでに7千万枚を配布し、追加配布する8千万枚も「すでに調達した」と説明した。

これとは別に、政府は全世帯に布マスクを2枚ずつ配布した費用に466億円を使った。

マスクひっ迫の背景
www.nikkei.com

新型コロナウイルスの感染が広がるなか、医療関連品の海外依存の高さが日本の医療体制の弱みとして浮かび上がっている。後発薬の原料では5割を輸入に依存しており供給不安の恐れも出ている。マスクや防護服など医療従事者に必須の医療装備品は軒並み中国からの輸入品に頼る。一部の医療品では各国で囲い込みの動きも見られる。政府は今後の感染症拡大にも備えるため、400社超と協力して、医療品の国産化を進める。

効果あり

note.com

アベノマスクがマスクの高値バブルにとどめを刺したのではない。しかし、アベノマスクは一連の政策を印象付けるシグナルになっているのは間違いないように思われる。

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「アベノマスク」とやゆされた布マスク2枚の全戸配布を政府が始めてから、17日で1年が経過した。「税金の無駄遣い」と批判が相次ぎ、届いたマスクを福祉団体などに寄付する動きも広がった。政府は「一定の効果はあった」と主張するが、芳しい評判は聞こえてこない。
~略~
有識者でつくる民間臨時調査会が昨年10月にまとめた政府の新型コロナウイルス対応についての報告書は「(マスク値崩れの)効果をある程度持ったことも確か」と評価しつつ、「総理室の一部が突っ走った。あれは失敗」という官邸スタッフの証言を引用。「政策意図が国民に十分に伝わっていたとは言い難い」と総括している。

効果なし

nou-yunyun.hatenablog.com


mainichi.jp

マスクが市中に出回り、販売価格が下がってきたのはなぜか。渡辺さんはこう分析する。「世界のマスク生産量の半数を占める中国が、感染のピークが過ぎた4月からマスクを大量に輸出するようになり、日本にも入ってきました。しかし、大手ドラッグストアなどは高価格であることなどから扱わなかったため、新大久保の個人商店などに流れたんです。それが他地域にも広がり、価格を下押ししていると考えられます。また、国内メーカーの増産などでドラッグストアやコンビニでも従来の仕入れルートから品質の保証された商品が入荷するようになったのでしょう」

渡辺さんの口から「布マスク」は一言も出てこなかったが、念のため安倍首相発言の真偽を聞くと、すぐさま断言した。「布マスクの配布は、市中のマスクの流通や価格には関係ありません」。そしてこう続けた。「価格は先に言ったような需給関係で決まるものです。そもそも、布マスクがほとんど配布されていない状況では代替の効果も期待できず、需給関係に影響を及ぼすとは考えにくい」

さらに念のため、安倍首相の言葉をなぞって、「全戸配布を表明したことによって、価格下落を懸念した卸業者などが『たまった在庫を出した』という可能性はないか」と聞いてみた。これに対しても、「影響がゼロとは言いませんが、ほぼ関係ないでしょう。『たまっていた在庫が出た』という点も、配布を表明した4月1日は最も在庫が枯渇していた時期と考えられるので正しいとは言えません」との見方を示した。

 中国からマスクを卸している福井県の業者も「布マスク配布と値下がりは関係ない」と指摘する。「新型コロナの感染が広がる前は、販売価格で50枚100円(1枚2円)の商品を卸していましたが、2月後半ごろから中国で原材料費が値上がりするなどして販売価格も高騰し、ピークは4月上旬で1枚77円まで上がりました」。しかし、中国の工場が再稼働したことや、国内メーカーの増産や新規参入で値下がりし、現在は1枚40~50円という。さらに「不織布マスクはもはや簡単に、安価で調達できるようになりつつある。今後はもっと価格が下がるでしょう」と見通している。

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中国の1日のマスク生産は1500万枚だったが、異業種の新規参入が相次ぎ最近は1億枚を超えるとされる。中国は感染拡大が収束しつつあり、中国国内のマスク需要も以前ほどではない。中国産の流入増加で、逼迫していた国内のマスク需給にも改善の兆しが出ている。

~略~
マスク価格比較サイト「マスク在庫速報」で、ネットで販売される平均価格は5月11日に1枚42円と10日前の60円から約3割低下した。運営会社のアスツール(東京・渋谷)は「輸入品の増加で需給バランスが改善している」とみる。

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国内のマスクの八割は輸入品だ。財務省の貿易統計によると、不織布マスクを含む製品の今年一月の輸入量は前年同月より二千トン多い一万五千トン。二月に四千七百トンに激減し、三月に八千七百トンまで回復した。

www.tokyo-np.co.jp

布マスクを巡っては、市中で供給が追いつかないとされた春先、政府が調達して配る看板施策としてアピール。洗って何度も使える半面、「サイズが小さくて鼻を隠せない」との声や不織布マスクに比べてフィルターの効果が薄いと指摘され、費用対効果が悪い「アベノマスク」とやゆされた。記者会見に登場する閣僚もほとんど使っていない。 (下線部強調 next49)

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厚生労働省によると、全戸配布にかかった費用は総額約260億円。日本郵便のシステムを活用して約1億2000万枚を配り終えたのは、開始から2カ月後の昨年6月20日ごろ。既にマスク不足はある程度解消した時期だった。
 情報基盤会社プラネット(東京)が昨年7月時点で実施したインターネットによる調査では、アベノマスクを使っていると答えたのはわずか3.5%にとどまった。(下線部強調 next49)

withnews.jp

4月の調査で布マスク配布を「評価する」と答えた人は32%いたのに、マスクが届いた6月の段階では、「役に立った」と答えた人は15%にとどまりました。

www.nikkei.com

「(全国一律の)ユニバーサルサービスを使命とする日本郵便として、利益を見込まずにお引き受けした」。日本郵政の増田寛也社長は4月、記者会見で布マスク配達についてこう語った。1通当たりの配達料は42円。全国の配布戸数は約6300万戸で、総額26億円で引き受けたという。

~略~

政府は当初、布マスクの配達を5月中に完了することを目指していた。ところが黒ずみなどの汚れが見つかり、検品作業で郵便局への納入は一時中断した。目標達成を急ぐ政府の意向をくむには、納入再開後に配達を急ぐしかない。このため一部の郵便局は、5月の大型連休中も配達に追われた。関係者によると、通常は梱包も含めて契約することが多いが、今回は配達だけで委託料も安く「実質は赤字」という。