大学生はどこで新型コロナワクチン接種を受けられるか問題

厚生労働省のQ&Aによると令和4年4月2日までに16歳以上への新型コロナワクチンを接種できる予定とのこと。

接種が受けられる時期

接種を行う期間は、令和3年2月17日から令和4年2月末までの予定です。最初は、医療従事者等への接種が順次行われます。その後、高齢者、基礎疾患を有する方等の順に接種を進めていきます。高齢者への接種は、一部の市町村で4月12日に開始されました。実施する市町村や接種する人数はまだ限られておりますが、順次拡大していきます。5月以降には多くの高齢者の方々に接種を受けていただける見通しです。
新型コロナワクチンの接種についてのお知らせ|厚生労働省より)

また、新型コロナワクチンは原則的に住民票のある自治体で接種を受けるとのこと。

接種が受けられる場所

原則として、住民票所在地の市町村(住所地)の医療機関や接種会場で接種を受けていただきます。インターネットで、ワクチンを受けることができる医療機関や接種会場を探すには、接種総合案内サイト「コロナワクチンナビ」をご覧ください。そのほか、市町村からの広報などをご確認ください。

なお、次のような事情のある方は、住所地以外でワクチンを受けていただくことができる見込みです。具体的な手続きは、今後案内します。

  • 入院・入所中の住所地以外の医療機関や施設でワクチンを受ける方
  • 基礎疾患で治療中の医療機関でワクチンを受ける方
  • お住まいが住所地と異なる方


また、医療従事者等の方等の接種場所については、勤務先からお知らせする予定です。
新型コロナワクチンの接種についてのお知らせ|厚生労働省より)

そうなると予想されるのが実家からでて大学周辺で暮らしている大学生はどこで新型コロナワクチン接種を受けられるのかという問題。よく知られているとおり、大学通学のために実家を出て大学周辺に下宿していても、住民票を移していない大学生は多い。2015年に「明るい選挙推進協会」が行った調査だと6割が住民票を移していなかったとのこと。
www.nikkei.com

明るい選挙推進協会が昨年6月に行った調査では、実家を離れた大学生と大学院生390人の6割超が現住所に住民票を移していなかった。総務省は今年3月、手続きの必要性を訴えるチラシを約120万枚作成。都道府県選管に配布を求めるとともに、文部科学省を通じて大学や専門学校にも周知を求めた。

2019年の「明るい選挙推進協会」が行った調査でも同じ傾向は続いている。

(公財)明るい選挙推進協会が実施した調査※1では、1.親御さんから離れて暮らしている学生のうち、約6割が現在住んでいる市区町村に住民票を移していない 2.現在住んでいる市区町村に選挙権がある人は、実家など、以前住んでいた市区町村に選挙権がある人と比べ投票に行った割合が高いという結果となっていることから、引越しの際における住民票の異動について啓発を行います。
さいたま市:(令和2年1月24日記者発表)若い世代に向けた選挙啓発ポスターを作成しました!)より

このため、新型コロナワクチン接種に関しても自治体は大学生の年代(18~22歳ぐらい)についてワクチン必要量を事前に見積もるのが難しい状態となる。もちろん、住民票とは違う住所に住んでいる人に対する仕組みは用意されている。

住所地外接種届(新型コロナウイルス感染症)

新型コロナワクチンは、原則住民票所在地の市町村で接種を受けることとなります。
住民票所在地の市町村と実際に居住する市町村が異なる場合、実際に居住する市町村において接種を希望する場合は、当ページから届出を行い、住所地外接種届出済証の発行を受けて下さい。
住所地外接種届出済証は医療機関や接種会場の受付時に画面を直接提示するか印刷して提出してください。
なお、入院・入所中の方や、基礎疾患を持つ方が主治医の下で接種する場合等には、住所地外接種届出済証がなくても他市町村で接種することができます。

ただ、以下の理由により2021年の夏~秋にかけて、下宿をしている大学生に住民票を移動させるキャンペーンを文科省や厚生労働省が行った方が良いのではないかと思う。

  • 大学は比較的マンパワーに余力のある地域に立地していること(特に大都市圏や県庁所在地周辺など)。このため、ワクチン接種の仕組みも整いやすくワクチンも効率的に配布できる(と思う)
  • 10代後半~20代のワクチン接種が始まったときに、同時期に住所地外接種届が大量に申請されると、実家のある自治体と下宿のある自治体の両方に強烈な負荷がかかる
  • ワクチンの効率的な配分が難しくなり、ワクチンの無駄が多く発生する見込みが高い

医療関係者すら、まだ接種が終わっていない我が国において気が早い話ではあるが、いつかはこの事態が発生するので早めに認識して、早めに負荷を下げるようにした方が良いと思う。あと、衆院選も予定されていることだし。

追記:留学生はどこで接種受けられるか問題

www.timeout.jp

行政改革担当大臣でワクチン接種担当大臣でもある河野太郎は、国が負うワクチン接種の責任について2021年2月2日のツイートで、各自治体の住民基本台帳に登録されている「外交官、駐在員、そのほか日本に滞在している外国人」は接種の対象となると述べた。