これに対する反応は、まさに罰則化が保健所と市民を分断する未来が見える一例だと思う。
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このうち、東京都内の会場では1日目の16日、試験を受けた受験生の1人が、マスクをつけていたものの鼻が出た状態だったため、監督者が試験中に6回、さらに休憩時間にも注意をしましたが従わなかったということです。
6回目には「次に注意された段階で無効になる」と告げたものの、その後も応じず、「試験場で監督者などの指示に従わない」という要件に当てはまるとして、7回目に不正行為と認定すると伝えられ、すべての成績が無効になったということです。
感染が拡大する中で実施された今回の共通テストでは、受験生にはあらかじめ試験会場で常に正しくマスクを着用することが求められています。
感覚過敏などで着用が難しい場合は別室での受験が認められますが、この受験生からは事前の申告はなかったということで、大学入試センターでは何回も注意をしており、監督者の対応に問題はなかったとしています。
こういう反応。大学入試センターを批判するならわかるけど、試験監督批判し始めちゃうのが問題。
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茂木氏は「鼻出しマスクの受験生の答案を無効にして試験官は何を守りたかったのか?」と疑問の声を上げ、「鼻出しマスクの件、ネット情報によると、共通試験で配布された冊子には『マスクを正しく着用』としか書いてなかったようで、『鼻を覆う』ことを意味するかは曖昧」と指摘。
続けて「試験結果無効のような重大な結果をもたらす判断をする上ではお粗末。杓子定規のロボット試験監督による人権侵害だと私には思える」との対応を批判した。
誰かがルール決めて、現場がそのルールに従い判断する。このとき、どうしたって境界線のグレー事例の判断が伴い、誰かにとって不合理な判断となる。このとき、ルールに批判がいくのではなく、現場に批判がいけば、どうしたって分断がおこる。それが以下の記事で懸念されている事態。
罰則を作れば保健所が混乱する
また、声明の文章について議論している最中に、それ以上に大きな問題だと気づいたのは、この罰則規定を入れることで、保健所の現場が混乱する可能性が高いということです。
ーーどうしてですか?
新型コロナでやっている感染者の同定や積極的疫学調査は、保健所が今回初めてやったことではないのです。結核でずっと日常的にやってきたことです。なので、担当部門はすぐコロナに対処できたのです。
そして、以前から前提にしているのは、「住民の理解と協力を得て、社会を防衛する」ということです。「一人を犠牲にして、残りを救う」ではないのです。
かつては、「全員を救うために、一人を殺した」のです。それが感染症法以前のやり方です。
記録を見ると、当時は結核やハンセン病だとわかると収容所に連れて行かれていました。家にいると捕まるので、山小屋に匿って家族がご飯を運んでいたのです。
だけど頻繁に訪問していたら周りに気づかれます。それで保健婦(当時)が良心の呵責を感じながらも、警察権力にその所在を知らせて、強制収容に加担したのです。
そうではない形で保健活動をするために1998年に作った感染症法を、また「警察権力にくっつく保健師」に戻すのか、というのが今回の問題です。
つまり、住民との信頼関係で成り立っている地域の保健活動が、根底から崩されてしまう。
感染症法上必要な情報が取れなくなるだけではなく、あらゆる地域の保健活動の根底的な資源を失ってしまうのです。
ーー言い方は悪いですけれども、「警察の犬」のように見られてしまうわけですね。
そうなります。「あそこに情報を流したら、警察に流れてしまう」と警戒されます。
おまけ
大学入試センターは鼻まで覆うことを義務付けている。
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Q: 手作りのマスクや絵柄,文字が入ったマスクを着用してもよいですか。
A: 手作りマスクについては,口と鼻がしっかり覆われていて,顔にできるだけ密着していて,洗濯等で清潔にしているものであれば着用しても差し支えありません。また,英文字や地図等がプリントされているマスク等は着用しないでください。なお,英文字や地図等がプリントされているマスク等を着用している場合は,試験場で用意している予備のマスクを着用してもらうことがあります。
また,音が出る等,他の受験者へ影響を及ぼす機能のついたマスク(空気清浄機能付きマスク等)は着用しないでください。他の受験者へ影響を及ぼす機能のついたマスクを着用している場合は,試験場で用意している予備のマスクを着用してもらいます。
追記
17日までの2日間に1回目の本試験が実施された大学入学共通テストでは、初日に都内の会場でマスクから鼻が出た状態だった受験生1人が、監督者から鼻を覆うよう試験中に6回、さらに休憩時間も注意されたものの正さず、不正行為と認定されて成績が無効になるケースがありました。
今回の共通テストでは、受験生は会場で正しくマスクを着用することが求められていて、大学入試センターは「次の注意で無効になる」と告げたあとも応じず「試験場で監督者などの指示に従わない」という不正行為の要件に該当したと発表していました。
関係者によりますと、この受験生は40代で、監督者の指示に従わなかった際の対応に加えて、最終的には不正を告げられると会場内のトイレに閉じこもり出て来なかったことから、かけつけた警察官によって退去させられたということです。
今回のケースを受け、大学入試センターにはマスクの着用をめぐり不安や抗議の声が寄せられているということですが、マスクの着用だけでなく、指示に従わなかった際の対応やほかの受験生への影響も含めて、総合的に判断したとしています。