Togetter:放射能差別と人種差別を絡めて書いた作文が内閣総理大臣賞を受賞したことが気に食わない人たちで経由で知った全国中学生人権作文コンテストの内閣総理大臣賞「それでも僕は桃を買う」を読んだ。まず、中学3年生の書いた文章として非常にうまいコラムだと感じた。
この作文の基本前提は以下の通り。
- 現在、商品として出回っている福島産食品は検査をパスしたもので安全である
- よって、「福島産」というだけで安全なものを忌避するのは、間違ったラベリングである
この前提の下で「中国国籍」というラベリングで否定された悲しい記憶と「福島産」がリンクする
この作文を空々しく感じる人の基本前提は以下のとおり。
- 検査をパスしていたとしても、安全が保障されているわけではない
- 現在、商品として出回っている福島産食品の安全性はグレー領域である
- よって、「福島産」というだけで安全なものを忌避するのは、予防の観点からすると適切なラベリングである
この前提の下では「中国国籍」というラベリングで否定された悲しい記憶と「福島産」はリンクしない。
この作文を空々しく感じる人の批判や疑念は本質的に政府や検査体制に向けられているものなので、内閣総理大臣賞に選んだ選者たちに批判を向けるのはしょうがないけれども、この作文を書いた著者を批判するのはやめてあげてほしいところ。
追記
私はこちらの方が好み。私はどうやら技巧的なのが好きではないらしい。あと、決断した自分とそうでない他の人という断絶が感じられる物語も好きではないみたい。それにしても、みんな名前の読みが難しい。
- 障害者だって,幸せだ:私はこれが一番好き。
- お兄ちゃんへ「ありがとう。」
- 在日韓国人の家族と私:いろいろと言いたいことを感じるけど、でも当事者かつ中学生の目からみるとこう映ると思う。
- 「いのち」の重み
- 共に生きるということ:中で紹介されているKさんの教えたかったことが秀逸。