少なくとも産経新聞記者と日経新聞記者は9日に猫カフェにいたっぽい

逮捕前の容疑者についての情報が出回っているというのを指摘されて、そういやそうだと今更ながらに気付いた。

産経新聞は記事に以下のように書いている。

遠隔操作ウイルス事件でインターネット掲示板2ちゃんねる」で昨年、大量殺人を予告して漫画本のフリーマーケットの運営者側の業務を妨害したとして、警視庁などの合同捜査本部が東京都江東区の男(30)を威力業務妨害容疑で逮捕する方針を固めたことが9日、捜査関係者への取材で分かった。捜査本部は男を神奈川県藤沢市江の島で記録媒体付きの首輪をネコに付けた人物と特定しており、事件の全容解明を進める。
MSN産経:遠隔操作、30歳男逮捕へ 威力業務妨害容疑 コミケ大量殺人予告 2013.2.10 06:52より)

でも、MSN産経:ちらつく過信と自己顕示欲 片山容疑者、現実空間に現れて墓穴? 2013.2.10 23:47の記事を見る限り、もっと前からわかっている。警察が捜査情報をリークしていないならば、産経新聞の記者が7日の時点で容疑者の行動を追っている。

遠隔操作を行っていた直接的な証拠がない中、警視庁などが片山祐輔容疑者の逮捕にこぎ着けた。逮捕前日の9日夜まで「早期逮捕」を主張する警察と、「時期尚早」とする検察がぶつかり合う一方、片山容疑者は同じ日、後手後手の捜査を感じ取っていたかのように東京・浅草の「ネコカフェ」にいた。「サイバー空間」から「現実空間」に姿をさらすミスを犯したとみられる片山容疑者。その心中には「過信」と「自己顕示欲」がちらつく。

片山容疑者は9日、放し飼いにされたネコと自由に触れ合える空間で、ネコを抱きかかえ、猫じゃらしで遊ぶ姿が目撃されていた。2日前にも別のネコカフェを訪問。店の従業員は「ほかの客との接点はなかった」と振り返る。

日経新聞の書き方をみると、日経の記者も同猫カフェにいたっぽい。写真なども含めて警察のリークではないならば、取材目的の人が何人か猫カフェにいるという異常事態。

片山容疑者は逮捕前日の9日午後には都内の「猫カフェ」に来店。店長によると、片山容疑者は物静かな様子で約1時間、膝に乗せた猫と戯れていた。同日夕には、東京・秋葉原のネットカフェにも来店。同店によると、昨年7月以降計7回来店していた。男性店長は「昼から夕方の短時間の利用が多い。印象は薄いが真面目な雰囲気だった」と語る。
日経新聞:警察を逆恨みか 遠隔操作事件、動機の解明進めるより)

実際は2月にはわかっていた様子。報道各社が気づいた経緯を知りたい。

遠隔操作ウイルス事件の威力業務妨害容疑で逮捕された東京都江東区の会社員、片山祐輔(ゆうすけ)容疑者(30)の存在は1月中旬、既に浮上していた。

同月5日に産経新聞記者などに送りつけられた「真犯人」からのメールに、神奈川県藤沢市江の島のネコに首輪をつけたことを示唆する内容があり、防犯カメラの解析から片山容疑者が特定されたのだ。
〜中略〜
「いくつかの新聞社やテレビ局が、片山(容疑者)の存在に気付きつつあるようだ」

警察幹部は、焦りを募らせていた。2月に入ると、片山容疑者が「ネコに首輪をつけた人物」として特定されたことに、報道各社が気付き、片山容疑者宅周辺の取材に動いていた。
MSN産経:(上) 捜査の壁にいらだつ捜査本部「ネコに首輪つけただけ」 ウイルス一致で急展開より)

以下の記述からすると、追い詰めたのは江の島の最新鋭防犯カメラ 捜査員「なかったらと思うとぞっとする…」で述べられている江の島に設置されている最新鋭の防犯カメラだけでなく、他の監視カメラの映像も利用している。

ネコの首輪は同月4日に付けられており、江の島の防犯カメラを解析したところ、首輪が付けられる直前の映像にネコと接触する眼鏡姿の男が写っていた。その後の足取りは街頭などの防犯カメラの映像で追跡、江東区内の自宅方面に戻っていく男を特定した
MSN産経:遠隔操作、30歳男逮捕へ 威力業務妨害容疑 コミケ大量殺人予告

朝日新聞はもっと明確に書いていた。これが特定方法なら、2月に入って「片山容疑者が『ネコに首輪をつけた人物』として特定されたことに、報道各社が気付き」という状態になること自体が警察からのリーク(あるいは情報漏えい)だとしか思えない。逆に警察からのリークではなく報道各社の取材力でこれがわかるのだとしたら、崩土報道各社はどこかで違法行為しているとしか思えない。

捜査本部は、江の島の島内の防犯カメラの映像を調べた。35台のカメラが昨年12月21日に取り付けられたばかりだった。このうち、高台にある広場のカメラに不審な男が映っていた。

1月3日の午後3時ごろ、1人の男が猫に近づき、まもなく立ち去ると、猫の首に首輪が取り付けられていた。この男とよく似た男がその後、バイクで東京都江東区に移動していたことが、道路周辺の防犯カメラの映像などからわかった。

一方で捜査本部は、昨年10月に東京都内の弁護士らに届いた犯行声明メールをヒントに、同種事件で過去に摘発された人物の洗い出しを進めていた。「警察・検察をはめてやりたかった」。捜査当局への強い恨みをうかがわせる文面があったためだ。

浮上した数人の中に、バイクのナンバープレートから判明した所有者と一致する人物がいた。元日のメールが示した山中へ昨年11月下旬に向かった車の存在も浮上し、その所有者とも一致した。片山容疑者だった。
朝日新聞:猫と映像、特定の鍵 PC遠隔操作、現実世界の物証追跡より)

うーん。