当たり前じゃない主張をするときはちゃんとその主張の妥当性を説明すること

自分の主張に説得力をもたせたいならば、理由が自明な事柄を除き、全て理由を説明しなければならない。

いきなり「君、帰りなさい。」と言われたら、多くの人は「なぜですか?」と聞き返す。なぜならば、理由がわからないから。理由がわからないと「君、帰りなさい」という指示にしたがうべきかどうかが判断できない。なので、多くの人は理由を明らかにしようとして反問する。しかし、文章によるコミュニケーションの場合は、「なぜですか?」と思っても聞き返すことができない。なので、非常にフラストレーションがたまる。フラストレーションがたまるとその後の文章を読んでもらえない可能性がある。それを防ぐためには、ちゃんと「なぜですか?」の回答を書いておく必要がある。

一方、マスクしてしんどそうにしている時に「君、帰りなさい。」と言われても、多くの人は「なぜですか?」とは聞き返さない。なぜなら、そう言われた理由は自分にとって自明であるから。このように、理由が自明なときは主張の妥当性の説明を省いても構わない。逆に、理由が自明なことを延々と説明されるのもきつい。想定読者が大学生なのに、主題とは別に延々と足し算や掛け算から説明したならば、ほとんどの読者は読むのを止めるか、その部分を読み飛ばしてしまう。読者や聞き手を想定して、理由の説明の詳しさを調整する必要がある。

続き→主張の妥当性を説明しているのに「説明がない」と言われるわけ。