私の所属研究室では卒業研究や修士研究に取り組んでいる学生のうち、かなりの割合で不安を覚えた段階で作業を放棄し、実際のその不安が起こり得るのかどうかを確認しない人が多い。この不安を覚えた段階で作業を放棄し、その不安について相談されても良い助言ができない。
具体的には、あるソフトウェアのコーディング中に「これではうまくいかないのではないか」と感じ、その時点で作業を放棄してしまうというような状況。うまくいかない理由がきっちり説明できるのならば、それに対して助言ができるのだけど「なんとなくうまくいかないと感じる」という百戦錬磨な達人のようなこと言われても困る。「あなたの勘は役に立つの?」と言いたい。実際にコーディングをすすめ、不具合をだした段階で相談してくれれば具体的なアドバイスが可能(もちろん、うまくいかないような部分だけ検証する部分プログラミングでOK)。
その作業を進めることで、自分や他人にひどい損害を与えない限りは、実際にうまくいかないことを確かめてから作業を放棄した方が良い。助言を求めるのも、うまくいかないことが確定してからの方が、具体的なアドバイスをもらいやすい。