卒業研究必修化を行えるマンパワーはあるのか?

立命館大は2012年度をめどに全13学部で、4年間の少人数の演習(ゼミ)と卒業論文を必修にする方針を決めた。

文系を中心にゼミや卒論を課さない大学も多く、専門家によると、学生数が3万人以上という総合大学での試みとしては例がないという。少人数のゼミでは1年生から課題の見つけ方や文章作成などの基礎を教え、2〜4年生で専門性を深める方針。

学生の学力低下が問題となる中、立命大でも「時間割を作るなどの自己管理さえできない」「学ぶ習慣も根付いていない」などと憂慮する声が上がっていた。

立命大は最低1年間のゼミを全学生に課していた。幅広い教養から深い専門まで身に着けさせ、自ら課題を見つけて、議論しながら解決していくゼミを4年間行うことは「学生たちの甘さをたたき直し、社会で生き残るためには必要不可欠」(同大学教授)という。
(2011年1月19日16時07分 読売新聞)

実際は検討段階の様子。

学生のみなさまへ

1月19日付の読売新聞夕刊に「立命大 4年間ゼミ 全学部必修化」との記事が掲載されました。
現在、大学における学びの集大成としての大学卒業時の学びの質保証についての教学政策の議論
をおこなっています。卒業論文、卒業研究、卒業実験、卒業制作等の必修化あるいはそれに代わる
もしくは準じる検証可能なシステムの構築をめざして、R2020計画や2011年度の全学協議会論議
における重要課題として、各学部・研究科に議論を呼びかけているところです。
「必修にする方針を決めた」とする記事内容は事実と異なっておりますので、ご理解のほどお願い
いたします。

志は素晴らしいと思うけど、マンパワーが足りないならば絵に描いた餅。立命館大学:基礎データより、学生数と教員数を見てみる。
学生数は、1学年7600人ぐらい。講師以上の教員がゼミ/研究室をもてるとして教授555人+199人+講師1人=755人。よって、教員一人当たり10人くらいが割り当てられる。この数字は、学部の別を無視しているので実際は、より偏りが生じるとは思う。

卒業研究/卒業制作を必修にするのならば、なんとか対応可能な人数比だとおもうけれども、1年生からゼミ必修にするとなると、教員1人あたり40人を毎年面倒みなければならなくなる。しかも、これとは別に授業がある。正直、無理じゃないかなぁ。