私が眺めている範囲で似たような要望が人文科学系と自然科学系からでてくるのはとっても面白い。
娯楽がたくさんあり、収入が減り、時間は有限で、やることはたくさんある現代において、面白いと分かっていないものに時間を費やしたい人はいない。そんな状況で新たなコンテンツを埋め込んでいくにはどうすればよいのだろう?
私が子供のころの娯楽の王様であったTVゲームは、ライト層と昔ゲームをやっていて今は時間がとれない層に注目し、「どこでもできる」「短い時間で楽しめる」「コミュニケーションの道具として使える」「ゲームをしながら何かを学べる or 鍛えられる」という方向へ進んでいるように思える(もちろん、ゲーマー用のゲームもでているが)。
小説は、若手向けには「短い話」「さくさく読める」「安い」を狙いとして、携帯小説やライトノベルをリリース。中高年向けには「短い」「読んだらタメになる」というのを狙いとして新書へ進んでいるように思う。ちなみに文庫ラッシュはどちらかというと書店の都合じゃないかと思う(たくさん並べられる)。
漫画は、現在もバラエティを広げ、成熟を目指している様子。絵による表現力を生かして、マニアックとみなされる素材でもガンガン料理していっている。一方で、コンビニに並んでいる暇つぶしに特化した漫画もある(内容はタブロイド雑誌の内容)。
音楽は、私が子供のころから考えると対して変化はないように思うけど、趣味の多様化が進んだ結果として、歌い手に物語がつかないと売れていないように思える(歌番組が減っただけかもしれないが)。あとは、無料入手の流れ。
映画は、レンタルビデオやテレビの地上派放送の流れで、見る人を増やし始めているようにも思える。あまりみないので傾向はわからない。私が子供のころに比べると上映時間が長くなっているような気もする。
テレビは、じっくり見るものから、流し見するものへと変化したと思う。
こういう余暇の使い方の流れでみると、科学読み物や史学マガジンは以下の特徴を満たさないと難しいのではないだろうか。
- 若者向け(大学生以下)
- 無料にちかいもの
- 短時間で消費できる
- どこでも消費できる
- コミュニケーションの手助けとなる
- 中高年向け(50代以降)
- 短時間で消費できる
- どこでも消費できる
- それを消費することでためになった気がする
- 作者や作品そのものに物語がある
- 他のことをやりながら消費できる
- 面白いことが保証されている
新社会人〜40代は?というと、生活にいっぱいいっぱいで何かを消費している暇がないのではないかと思う。
自分で書いといて何だけど、これを満たすものはあるのか?