科学予算についてどう見られているかを常に意識した方が良い。

昨日のノーベル賞受賞者フィールズ賞受賞者の「事業仕分けに対する緊急声明」は基本的に素晴らしいことだったと思う。企画した人と参加された方々に素直に讃辞を述べたい。

ただ、一方で、この「事業仕分けに対する緊急声明」に対しては強い反発がでることも覚悟しておかないといけないと思う。たとえば、以下の記事をあなたはどう感じるだろうか?

スポーツが好きな方はこちらの意見にも賛成するかもしれないけれども、それほどスポーツに興味ない方は「不景気なんだし削減されてもしょうがないのでは?」「確かにマイナースポーツをそんなに支援しなくても良いよね」「オリンピック強化選手を支援するのは良いけど、そのやり方は非効率なんじゃない?」という感想を持つかもしれない。

この視点や感覚が科学者or科学ファンじゃない人が感じる科学予算への感想。「スポーツと科学は〜が違うだろう!」という反論もあるかと思うが、スポーツも科学も(ついでにいえば、教育と芸術も)社会の余剰資産で行なわれるもの。生きるのにカツカツであるときには、絶対にスポーツ、科学、教育、芸術は発展しない。科学予算に関しては「多くの人にとって『科学というのは社会の余剰資産で行なわれている営みである』と認識されている」と考えた上で行動していかなければならないと思う。

そういう意味では、科学者は定期的にJOC補助金縮減のニュース(他の芸術系、教育系のニュースでも良い)を追い、それに対する自分の感想や思いを確認しつづけるのがうまい活動方法だと思う。

まあ、私がこういうことを書くまでもなく、緊急声明については賛否両論だったようですが。それにしても、賛否両論であるというのはとても良いこと。