「スパコン仕分け、失敗だった」 理由

タイトル釣りすぎ。仕分けにより省庁が事実と証拠を提示しつつ、予算要求および執行の妥当性を説明できるようになれば「成功」そうでなければ「失敗」というのが蓮舫さんの考えである様子。

――事業仕分けで特に印象に残っているのは。

 「大成功したのは宇宙飛行士、毛利衛さんの日本科学未来館だ。毛利さんは科学者らしく入場者数の増加など、ファクトで説明した。館長が毛利さんなのに、部下は全員ほかの(委託先の)公益法人職員で、実態としては人事権のない館長だった。毛利さんは『数年前から不都合さを文科省に言っている』と、むしろ仕分けの場を活用していた。それ以降、ものすごくいい形の博物館になった。あの仕分けはウィンウィンだった」

 「スーパーコンピューターの仕分けは失敗だった。事前ヒアリングで費用対効果を何度聞いても、まっとうな答えが返って来なかった。民間人の仕分け人が『世界一になる理由を説明できるようにしてください』と宿題を出していたのに、仕分け当日に『夢』と答えた」

 「私たちは夢のために国をつぶすつもりはない。『世界一になる理由はなんですか』と聞いたら、世界一の技術と返してきた。会話になっていない。その後、ノーベル賞受賞者がずらっとならんで抗議の記者会見をした。その発言をみると、事業仕分けのやりとりを見ていない様子だった」

日経新聞:蓮舫元行政刷新相「スパコン仕分け、失敗だった」 より

たしかにスパコン仕分けのやりとりは全然ダメだったと思う。

事業仕分けにおける次世代スーパーコンピューティング技術の推進への批判の中心的部分は手続きの問題であって、具体的には「当初計画は富士通、日立、NECの3社合同開発だったのが、日立とNECの製造段階からの撤退という大きな計画変更があったが、それに対する十分な説明を行っているとは思えない」につきると思う。

ただし、仕分けのやり方が適切だったかの反省も必要だと思う。

議論のほとんどが、アカデミックキャリアパスをどのようにつくるのかの話と博士課程の学生が民間就職に向かわないのは何故かの話に費やされている。この話の流れで、どうして科研費の若手研究が削られているのかさっぱりわからない。しいて言えば、文部科学省側が財務省主計局からの質問にまともに答えていないのが敗因かと思われる。

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