今年も科学研究費補助金申請の季節がやってまいりました。応募する研究種目によるけれども、平均採択率は5分の1。学術雑誌や難関と言われる国際会議の論文採択率が3分の1〜というのを考えれば狭き門。でも、応募しなければ得ることは永遠にできないのでくじけずにトライ。
自分の備忘録と今年初めて科研費に応募するご同輩のお役にたてればと思い、研究計画書を作るまでに役立ちそうな情報をメモ。
応募へと至る流れ
科研費応募に至る作業は大体以下のとおりではないかと
研究種目の決定と公募要領、研究計画書テンプレートのダウンロード
では、研究種目の決定からポインターを作ってみる。何はさておき、科研費の情報収集はここから始める。
まずは、応募する研究種目を決める。私の場合、研究室運営や出張、本の購入、実験用計算機の購入に必要な金額はおよそ300万円〜400万。上記のページからダウンロードできる「公募要領(特別推進研究、基盤研究、挑戦的萌芽研究、若手研究(S・A・B))」の4ページ〜6ページの研究種目の説明と照らし合わせて考えると、基盤研究(C)もしくは若手研究(B)が妥当。
次に採択率を調べる。公募要領の48ページと49ページにある「平成20年度科学研究費補助金の交付状況」をチェック。基盤研究(C)の採択率は、平成19年度23.0%、平成20年度21.6%。一方、若手研究(B)の採択率は、平成19年度28.8%、平成20年度27.7%となっている。私は39歳以下なので、若手研究(B)に応募するのが妥当。
そこで、科研費のページから公募要領のPDF、記入要領のPDF、研究計画書のWordファイルをダウンロードする(普段、論文書くときはLaTeXだが、研究費の申請フォーマットはWordで提供されることが多いので、研究費申請時はWordを使うことが多い)
続いて、公募要領の82ページから始まる「基盤研究(A・B・C)(審査区分「一般」)、若手研究(A・B)の第1段審査における評定基準など」を読み、評定基準を理解してみる。
分野の決定
学術振興会の方曰く、第一段階審査の場合は一人の審査員が平均90件ほどの応募書類をチェックするらしい。なので、自分の研究をまったく理解してもらえない分野に応募したら、あっさりと落とされる可能性がある。そこで、自分が応募しようとする分野はどのような人たちが審査員として配置されているのかをチェックする。
科研費の審査方法については以下のページを参照。第一段審査の審査委員は2年任期。一年ごとに半数が交代するとのこと。前年度の審査委員名簿は今年度の審査が終わってから公表される。
以下のページから自分が投稿したい分野の審査員の顔ぶれを眺めてみる。審査委員が多い分野は、応募数が多い分野と考えられる。
研究計画書の作成
公募要領、ならびに、研究計画書の上の部分に書いてある注意事項に従い、マイナスポイントがないように応募書類を書く。第一段の審査委員一人あたり平均90件の応募書類を年末年始かつ、入試業務やら卒論指導追い込みなどの死にそうな時期である2〜3ヶ月で読むことをよく留意する。すなわち、読みやすく、わかりやすくが重要。
あとは、先輩や同僚、場合によっては学生に読んでもらうのが常道らしい(学内で行われた科研費申請説明会での情報による)
どういうタイトルやどういう内容が良いかについては、過去の採択テーマを見るのが一番良いと思う。