タクシー接待の流れで、公務員の公務におけるマイレージ使用が検討されるらしい。そんなのほっとけばよくない?
政府は、公務員が出張で取得した航空会社のマイレージを政府が一括して管理できないか検討を始めた。財務省などの職員が深夜帰宅で使ったタクシーの運転手から現金などを受け取っていた問題を受けた措置。公費で得たマイレージの私的利用を防ぐとともに、出張経費の節約につなげるのが狙いだ。
町村信孝官房長官は18日午前の記者会見で「いわれのないことを言われないようにするためマイレージの取得と使用の自粛を決めたが、出張旅費を安くする道を閉ざすのももったいない」と指摘。政府が一括管理できないかどうか航空会社と交渉に入っていることを明らかにした。(18日 17:03)
政治家や経団連幹部の発言をあつめて表示できる勝手にTwitterを作って、はてなスター式に評価したいわ。
これ確か省によって個人につけていたり、省内でプールして公金で手当できない政治家の秘書随行とかに使ったり、運用はバラバラだったんじゃないかな。あと航空会社が気を利かせてアップグレードしたり、みたいな話もあった。個人タクシーのビールでこれだけ話題になったんだから、官僚の海外出張について国会質問が出れば炎上するだろうな。ああ実に下らない。
でも、マイレージの話って一年前にもでていたみたい。
マイレージの性質をどう見るか、にもよると思います。料金の割引、払戻と見るのであれば、公務員の出張については、税金の一部を個人が取得することになり、当然許されない、ということになるでしょう。一方で、一定の利用に対し、あくまで利用者に対して特典を与えるもので、支払う料金とは別個の制度である、と見れば、公務出張でマイレージを取得することが許されない、とまでは言えない、ということになるでしょう。その辺の考え方により、取り扱いが分かれてきているのではないかと思います。
いずれにしても、特に、税金を使った公務出張について、個人がマイレージを取得し私的に利用する、ということは、その原資が税金であるだけに、個人が私腹を肥やしている、という印象を払拭することが困難でしょう。
それに対応するようなエントリー
つまり出張というのはそういうさまざまな周辺負担、そういう言葉があるのかどうか知らないがフリンジコストを伴っているので、マイレージがフリンジベネフィットでけしからんと言うならそのへんのコストもきっちり見て払ってくれという話である。健康リスクの話も出したが、乗っている飛行機だって私の場合プノンペン・ビエンチャン間のフォッカー50だったりして、本気で結構命懸けである。それだけ苦労して自腹切って、おまけに付いてきたわずかなマイレージになんで文句言われんといかんのか。
こう言うとしかし、マイレージ目当ての不適切な航空券手配とか不要な出張とか不祥事があると反論されそうである。実際、チケットを買って旅費の支給を受けたあとマイレージ利用に切り替えて、元のチケットを払い戻してしまうという不正も過去にはあったようだ。しかし手配については本人にやらせなきゃいいし、上の不正は搭乗券半券を持ってこさせればチェックできるはずだし、出張が必要か不要かはそれこそ組織運営とか政策実現の観点から評価する話である。他にチェックのしようがあるのに不正利用の可能性があるからというだけの理由で禁止していると、実はかえって不正を助長することになるというのは、研究費の不正使用をめぐる問題ではっきりしていると思うのだが。
追記(2008/6/20)
飛行距離に応じてたまる航空会社のマイレージポイント(マイル)をめぐり、政府は19日、省庁の役人の公費出張で個人のカードにたまるマイルを役所で共通に使えるよう、「公用カード」の発行を航空大手2社に求めた。航空会社は難色を示している。
省庁の役人が深夜にタクシーで帰宅する際、運転手からビールや商品券などを受け取っていた「居酒屋タクシー」問題をきっかけに、政府は公務出張に伴うマイルの個人取得を自粛することにした。これを受け、内閣官房と財務、外務両省の幹部4人が19日、日本航空と全日本空輸を訪れて申し入れた。
政府は、個人が取得したマイルの返上も検討したが、「それだと航空会社がもうかるだけ」(関係者)。マイルを別の公務出張に使えば「税金を節約できる」(町村官房長官)との発想から公用カードを思いついたという。
これに対し、日航、全日空とも否定的な見解を伝えた。「マイルは個人客囲い込みの『おまけ』。別の人と共有はできない」(日航幹部)、「検討が必要となる課題が多い」(全日空幹部)などと説明したという。
航空会社が否定的なのは、政府の言う通りにマイルを見直すと、収益が悪化しかねないからだ。個人客の囲い込みを狙ったマイルは「出張でためたマイルが家族旅行で使われ、観光需要を生み出している」(日航)という。
さらに収益への影響が大きいと見られるのは、マイルの使われ方が大きく変わりかねない点だ。現在は個人的な観光旅行などに使われているが、この分野はもともと旅行会社向けの安い航空券が多く、マイル利用に伴う利益の減少は大きくない。一方、出張などのビジネス分野は正規料金に近い航空券が多く、ここにマイルが使われると利益が大きく落ち込みかねない。
民間企業にも政府と同様の要望はあり、航空会社に申し入れた例もあった。業務に伴う出張で得たマイルを使えば、出張費を削減できるからだ。しかし、航空会社が拒否してきたため、「出張でためたマイルを次の出張に使う」という企業はごく一部だ。
国土交通省によると、マイルを法人や団体に与える例は海外でもないという。日航と全日空は、海外の航空会社とマイルの相互付与などで提携しており、公用カードの実現には実務上の難しさがある。政府側は、今は各社の規定で1人1枚しか持てない「マイレージカード」を私用と公用の2枚持てるようにする案も協議したい模様だ。(大平要)