「エコノミスト南の貧困と闘う」

エコノミスト南の貧困と闘う
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492443045/250-8878423-6624258

を読んでいますが、これは非常に示唆に富んだ本であると感じています。

ポイントとなる概念は「人はインセンティブに反応する」インセンティブとは、人をやる気にさせる外部からの刺激。インセンティブを与えるとは、行動の結果として与えられる具体的な良いものを示すことによって人のやる気を引き出すこと。

国立国語研究所「外来語」委員会:第2回 「外来語」言い換え提案:インセンティブ
http://www.kokken.go.jp/public/gairaigo/Teian2/Words/incentive.gen.html

三省堂ワードワイズウェブ:インセンティブ
http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/topic/10minnw/009incentive.html

これまでの貧困国への援助は、インセンティブを与えることができなかったのでほとんど、事実上失敗しているというのがこれまで読んだ部分。それが、教育に関する援助に対してもそうであるというのが驚き。(ただし、それは貧困国が自立するという観点から。個人が幸せになるかどうかという観点からすると異なる)。「人はインセンティブにのみ反応する」というのは、偉大な経済学の知見であると思う。理屈や善意だけでは、社会の何事も、たぶん、自分自身すら変えられないのだと思う。自分を変える場合にも自分にインセンティブを与えてやる必要がある。

後半も楽しみ。

南北問題だけでなく、多重債務、組織運営、子育てなどに興味がある人も何かを得ることができる本であると思う。

# 敬体と常体が混ざってしまった。