逆は必ずしも真ではないです

内田樹の研究室: ブルーな火曜へのトラックバックロリコンファル - 最悪の差別主義言説 −憎悪の渦−にちょっと意見。

内田先生の


ある種の政治イデオロギーが身体変容さえももたらすということは現実にしばしば起こる。
きわめてファナティックな政治イデオロギーの持ち主はやはり奇形的な身体をしている(過度に病的であるか、過度に健康であるかどちらかである)。
健全な社会理論の持ち主は、原理的に「弱い敵との共生」ということを優先的に配慮しているので、たいていは「軽度の疾患」や「軽度の不全」とうまくネゴシエイトする身体を持つようになる。
は、「きわめてファナティックな政治イデオロギーの持ち主」ならば、「過度に病的であるか、過度に健康である」といっており、「健全な社会理論の持ち主」ならば、「「軽度の疾患」や「軽度の不全」とうまくネゴシエイトする」といっています。

決して「過度に病的であるか、過度に健康である」ならば、「きわめてファナティックな政治イデオロギーの持ち主」「「軽度の疾患」や「軽度の不全」とうまくネゴシエイトする」ならば、「健全な社会理論の持ち主」とは言っていません。

さらにはたいていは「軽度の疾患」や「軽度の不全」とうまくネゴシエイトする身体を持つようになる。
と例外があることを暗に示しています。

ですので、kagamiさんの


身体に病いを持つ人間は精神も異常であるというのは、非科学的であるとして、優生学思想の中でも異端である最悪の優生学思想…。
は、飛躍しているのではないでしょうか?

kagamiさんの仰る通り、「健全な肉体にのみ、健全な精神が宿る」
という考えは、非常に恐ろしいものです。でも、これを恐れるあまりこの思想と類似(似ているけど異なる)の思想まで、強烈に攻撃するのは逆に、本当に理解してもらいたいのが「健全な肉体にのみ、健全な精神が宿る」という思想であるという点を理解してもらえなくなる恐れがあると思います。