Amazonの値引きがダメで、生協の値引きが大丈夫な理由

著作物には独占禁止法の例外として、出版社が書籍や雑誌などの小売価格を決めることができる「再販制度」が適用される。

アマゾンは2012年から10%還元を始めた。これに対して緑風出版などは、10%もの還元は事実上の大幅値引きにあたり、小売価格を維持する再販契約に違反すると主張。サービス停止を申し入れてきたが受け入れられないため、5月から出荷停止に踏み切る。期間は半年間で、自社の出版物にサービスが適用されなくなれば解除するという。

大学関係者は生協の組合員であることを示せば書籍が生協で値引きされて売っているのを知っている。

それではなぜ生協では本を1割引で買うことができるのか。独占禁止法第23条5項では、共済組合や生活協同組合は再販契約を遵守する義務を負わないと規定されている。「教科書販売」の販売主体は大阪市立大学生活協同組合だ。そのため我々は割引の恩恵を受けることができるのだ。

THE KINGDOM POST:大学生協の本はなぜ安い? 〜書籍の再販制度を問い直す〜より)

当該条項

(5)第一項又は前項に規定する販売の相手方たる事業者には、次に掲げる法律の規定に基づいて設立された団体を含まないものとする。ただし、第七号及び第十号に掲げる法律の規定に基づいて設立された団体にあつては、事業協同組合事業協同小組合、協同組合連合会、商工組合又は商工組合連合会が当該事業協同組合、協同組合連合会、商工組合又は商工組合連合会を直接又は間接に構成する者の消費の用に供する第二項に規定する商品又は前項に規定する物を買い受ける場合に限る。

  1. 国家公務員法
  2. 農業協同組合法
  3. 消費生活協同組合法
  4. 水産業協同組合法
  5. 特定独立行政法人の労働関係に関する法律
  6. 労働組合
  7. 中小企業等協同組合法
  8. 地方公務員法
  9. 地方公営企業等の労働関係に関する法律
  10. 中小企業団体の組織に関する法律
  11. 国家公務員共済組合法
  12. 地方公務員等共済組合法
  13. 森林組合

公正取引委員会:私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)より)

法律に基づくならば、農協の販売所で農協の組合員に本をうる場合は値引きして売ることができるのね。