ハードな展開だ。さりげなく、「阪大+九大=地方大学27大学」という事実に衝撃。実は、「東大=阪大+九大=地方大学27大学」なんだろうなぁ。(参考:運営費交付金削減率が3%になったら破綻しそうな大学)
参院選後に始まる平成23年度予算の概算要求で、文部科学省が大学の日常的な教育研究を支える「国立大学法人運営費交付金」などについて削減対象から外すよう要求していく方針を固めたことが7日、分かった。菅内閣が6月に閣議決定した「財政運営戦略」に基づき、省内で試算した結果、同交付金の削減額は約927億円。これを実行した場合、大学破綻(はたん)によるわが国の知的基盤の喪失や研究機能の停止といった深刻な結果を招く危険性が高いことから、文科省は「削減は到底困難」としている。
6月22日に閣議決定された「財政運営戦略」の「中期財政フレーム」では23年度から3年間「基礎的財政収支対象経費」は前年度を上回らない方針が示された。文科省では年額1兆3千億円で伸びる社会保障関係経費を踏まえると、その他の一般歳出は年率8%の削減を余儀なくされると試算。これを機械的に国立大学法人運営費交付金にあてはめた場合、削減額は約927億円に上る。22年度までの7年間で達成した同交付金の削減額830億円を上回る法外な額だ。
文科省の試算によると、仮に削減のしわ寄せを授業料でまかなう場合、学生1人あたり年23万円の値上げとなる。研究経費を削って捻出(ねんしゆつ)する場合は、現状の32%減(約1954億円)となり「大学の研究機能が停止する」と指摘。さらに特定大学の交付停止で対応すれば、「大阪大学と九州大学の2大学を消滅させるか、地方大学や小規模大学27大学をなくさざるを得ない規模」で、わが国の知的基盤の喪失を招くと憂慮している。このため文科省では大学の“生命線”となる「国立大学法人運営費交付金」と「私立大学等経常費補助」を予算編成で削減対象から除外するよう求める。
民主党は昨年の衆院選前に策定した「民主党政策集INDEX2009」で「自公政権が削減し続けてきた国立大学法人に対する運営費交付金の削減方針を見直します」と明記したが、政権発足後、財源の見通しが不十分なまま、子ども手当や高校無償化に踏み切り、多くの既存予算がしわ寄せを受けている。