大学院生はORCIDにアカウントを作ろう!

かなり前に大学院生はみんなResearchmapに登録しようというエントリーを書きましたが、2017年の今はこちらをおすすめしたい「大学院生はORCIDにアカウントを作ろう!」

ORCIDって何?

ORCID (Open Research and Contributor Identifier)は、組織、専門分野、地域をこえ、研究者に1つのIDを与えることを目的とし、地域社会に拠点を置く非営利の取り組みです。
editage insight: ORCIDの研究者ID番号を登録してみようより)

ORCIDは、いま話題の「マイナンバー」と同様に、個人を特定するためのIDナンバーです。マイナンバーとの違いは、ORCIDは研究者が学術活動のために使うものだという点です。これまでは、データベースからある研究者の論文リストを作成しようとすると、同姓同名の研究者の存在、所属機関の異動、結婚による改姓、名前の表記の不統一などさまざまな障害があり、非常に困難でした。同姓同名の多い名前の研究者の方なら、このことは特に強く実感するのではないでしょうか。研究者一人ひとりがORCIDという固有のIDを持って、異動や改姓の後も一貫して利用すれば、研究者とその業績を正しく結びつけることが可能になります。
ワイリー・サイエンスカフェ:世界の研究者190万人が利用している「ORCID」って何? 研究者・学生もこれだけは知っておきたい基礎知識より)

どんなメリットがあるの?

上の紹介とも重複しているけれども。

  • 所属の変更、改姓などがあっても統一的に自分の業績(論文、外部資金、職歴、学歴)を管理できる。
  • 外部論文データベースから論文情報をインポートできる(工学系のSCOPUSもインポート先にある)
  • 日本における公的競争的資金の申請において、利用されることが決まっているresearchmapにORCIDで列挙した論文データを読みこませることができる。

外部論文データベースからのインポート

インポート可能な論文データベースはAdd works by direct import from other systemsに列挙されている。抜粋する。

  • Airiti
  • ANDS National Collections Registry
  • BASE (Bielefeld Academic Search Engine)
  • CrossRef Metadata Search:
  • DataCite
  • Europe PubMed Central
  • ISNI2ORCID
  • KoreaMed
  • MLA International Bibliography
  • Redalyc
  • ResearcherID
  • Scopus Author ID

私は工学系なのでSCOPUSから論文情報をインポートしてみたが大変便利だった。もちろん、手動入力も可能なので連携している論文データベースに無い論文は自分で入力すれば良い。

researchmapとの連携

researchmapは日本の公的競争的資金の申請に今後利用される見込みとなっている。researchmapの業績リストを最新に保っておくのは今後研究者になる際に重要な作業になる。

競争的資金を所管する関係府省において、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運用する国内最大級の研究者情報データベースである「researchmap」を活用し
ていく方針が定められています。また、科研費制度においても、応募の際に必要な研究業績情報については、科研費電子申請システムと「researchmap」とを連携させる方法
について検討しているところです。そのため、研究機関の事務担当者の方及び研究者の方におかれましては、「researchmap」へ研究者情報の登録をお願いします。
平成29年6月6日 独立行政法人日本学術振興会「科研費に関する意見・要望への対応について」(PDF)より)

researchmapはORCIDに列挙している論文情報をインポートすることができる。researchmap:マニュアル・FAQの「ORCIDを使用して論文を取り込む方法を教えてください。」にインポート方法がある。

ORCIDの登録方法

以下のサイトに登録方法の説明がある。
www.editage.jp