昨日、Twitterのタイムラインで「なぜフェンスが建てられたのかわかるまで、決してフェンスをとりはずしてはならない」という警句の出典が見当たらないというツイートが流れていた。
私がこの警句を知ったのはこちらのエントリーから。
d.hatena.ne.jp
チェスタートンという方の警句らしい。Tumblerでチェスタートンの言葉を引用している本の紹介と該当部分の訳を載せているページがあった。
whym.tumblr.com英語圏では当然有名みたい。en.wikipediaにそのものずばりのページがあった(しかも、Wikipediaの注意事項として。)
上記のen.wikipediaの記事の出典によると、ジョン・F・ケネディ大統領がチェスタートンの警句を引用していたとのこと。
www.chesterton.org
追記:十分考慮したら責任を明確にしたうえで撤去すればよい
Twitterやブックマークコメントでこの原則により変更ができなくなるような内容の疑義が呈されているけれども、これは原則なのだからケースバイケースで例外的事象に対応すれば良いと思う。
- しばしば「皆困っているのに永久ににわからないので壊せない」というオチがあり人間って愚かだなぁと思う。かといって自然分解性のフェンスにすると、それはそれで毎度困ることになる。
- この理屈だと「建てられた理由が消失して利用価値が分からなくなってるフェンス」は永久に撤去できないってことにならない?ようわからん。
- 誰も目的の分からない謎のフェンスだらけで自縄自縛に陥る組織も往々にして存在するので、一概には何ともかんともちりとてしゃん……。
がんばって調べてもわからない場合に撤去を先送りにできる条件は以下のとおり。
- 撤去しなくても金銭的、人的、時間的、環境的に低コストの支払いで済む
- 撤去しないことによる金銭的、人的、時間的、or 環境的に逸失利益が少ない
みんなが困っていて、現時点での判断では撤去する方が良いと言うならば、責任持って撤去すべき。以下のブックマークコメントのとおり。
- これは原理だから、作った理由が分からないトマソンが積もって邪魔になった時は、原理主義にならず思い切って壊すべき。建て直せる物なら建て直せばいいし。一番大事なのは物を作る時に記録を残すこと。
万能プログラムが原理的に不可能なように、万能な原理・原則もこの世にはない(と思われる)のでガイドラインとしてチェスタートンのフェンスの原理を利用するのが良いと思う。
そして、フェンスを作る側の人たちは以下に尽きる
- ろくでもない慣習の正当化に使わないための基準を持つ者だけが、この警句を使用するべきだろう。
- そう、だから記録が大切で、公文書や議事録は簡単に破棄してはならない。