「学力」の経済学

何回かネット上の記事を読んで面白いなと思ったので購入。Kindleの不便な点を改めて認識した。それはページ数がわからないという点。

紙の本だと厚みであとどれくらい話が続くのかわかるのだけど、Kindleの場合は残りの分量をパーセント表示でだしてくる。これは、字の大きさをユーザが変えることができるのでページ数が意味を持たなくなったためだと思うのだけど、ページ数がわからないというのは今までの読書慣習からすると結構不便。

今回の本は時間があるときにちょこちょこと読んでいたので何ページぐらい読んだのかをちゃんと把握していなかった。残りX%というのも全体量を把握していないのでそれが多いのか少ないのかわからない。「この本は導入が長いなぁ。いつ本題が始まるのだろう。」と思って、章タイトルみたら「4章」になっており、そして本文も終わっていた。値段が1,700円だったので新書の分量よりは多いという認識だったのだけど、実際には新書の分量&位置づけも新書だった(つまり、導入こそがこの本の目的)。非常に虚を突かれた。

この本の主張は、政策を実行する資源は有限なので良い結果を生むから全部やるというのは無理。なので、費用対効果が高いものからやっていく必要がある。その際には、証拠に基づく政策の吟味が必要であり、日本ではそれをやるための証拠の準備がないし、証拠を用意すること自体にいろいろと敷居が高いというもの。なので、こういう話題にはこういう結果があって、われわれの直感と反しているんですよとか、こういう話題はこういう風にデータとるんですよとかの例をいろいろと紹介してくれるものになっている。

同じ金を突っ込むなら、高等教育(大学など)よりも、幼児教育(小学校の前)にお金つっこんだ方が良いとか、少人数制教育はあまり効果がでていないとか、面白いところがあるものの、やばい経済学の方が「うわっ!こんなことを測定して確かめられるんだ!」という驚きがあった。

ただ、この本の主張のとおり証拠に基づく議論が行われるのが必要なのは間違いない。この本で行われた「導入」の次の部分が読んでみたい。