研究者の職がどんどん変わること自体は国が推奨しております

森口氏は1993年に東京医科歯科大を卒業し、看護師の資格を取得。同大学院で保健学修士を取得した後、医療系の財団法人や、東大先端科学技術研究センター、東大病院を転々とした。医師ではなく、肩書は常勤・非常勤、客員・特任などとめまぐるしく変わった。

研究者の流動性を高めるために任期付きを導入しているので職が変わるのは国が推奨していること。その部分で森口氏をネガティブ扱いするのはいかがなものかと「転々とした」「めまぐるしく変わった」って、本来はそうでないことが望ましいということを暗にこめているのだと思う。森口氏の経歴についてはWikipediaが力作。

  • 1989年 - 東京医科歯科大学医学部保健衛生学科入学 【5】
  • 1993年 - 同大学同学科卒業、同年看護師の資格を取得【6
  • 1995年 - 同大学大学院修了、修士号(保健)【4】取得【3】【7】。修士論文の題目は「健康診断における異常所見の評価とその予後に関する考察〜超音波エコーによる胆のうポリープの自然経過の検討」【6
  • 1995年〜1999年 - 財団法人医療経済研究機構主任研究員・調査部長、ハーバード大学メディカルスクール・マサチューセッツ総合病院客員研究員【8
  • 1999年8月 - 東京大学先端科学技術研究センター研究員【8
  • 1999年11月〜2000年1月 - マサチューセッツ総合病院客員フェロー【9】、胃腸科で研究員を行う【10
  • 2000年10月 - 東京大学先端科学技術研究センター客員助教授【8
  • 2002年4月〜2009年3月【3】 - 東京大学先端科学技術研究センター特任助教授【8
  • 2007年9月 - 東京大学より博士号(学術)取得。博士論文題目は「ファーマコゲノミクス利用の難治性C型慢性肝炎治療の最適化」。主査は児玉龍彦東京大学先端科学技術研究センター教授。[11]
  • 2012年3月〜8月 - 東京大学医学部附属病院に、形成外科・美容外科の技術補佐員として所属【12
  • 2012年9月〜現在 - 同病院で有期契約の特任研究員として所属、研究テーマは「過冷却(細胞)臓器凍結保存技術開発の補助」【12

ja.wikipedia:森口尚史

森口氏のようにいろいろな組織で研究を継続する人の場合、所属組織のWebサイトは任期後に消える可能性が高い。そうすると、「特任〜」「客員〜」の仕組みをつかって、経歴をいろいろといじれてしまう(確認コストが高いほど利用しやすい)。ニセ科学関連でも経歴を利用して商品の信頼性を上げたりするので、非研究者が研究者の経歴をWeb上で調べられる仕組みが必要だと思う。

日本においてはReaD & Researchmapがまずは整備されて、利用されるべきだけど、基本自分で入力する仕組みなので経歴詐称をやろうと思えばやれる(ただし、公開し続けることにより露見の確率があがる)。究極的には、主に大学が在籍研究者DB(過去含む)をWeb API経由で問い合わせできるようにするのが良いと思う。研究者の在籍情報は個人情報として扱うべきではないので。

ちなみに森口尚史さんのページはReaD & Researchmapにない。科研費データベースだと以下の3件がヒットする。