研究室ごとのサーバー管理体制は魔境ではある

ちょっと筑波大学がかわいそうなので擁護する。ある研究室に対する文句と筑波大学全体に対する文句は分けた方が良いと思う。学生からみると大学が所属学生に公平に提供している各種サービスと研究室ごとに研究室の構成員に提供している各種サービスに区別はないだろうけど、大学教職員から見るとこの二つは全く別物。

研究室で提供しているサービス(研究室のメールアドレス、MLサービス、ファイルサーバー、リモートログイン、Webサーバーなどなど)は、研究室ごとの付加サービスであり、大学所属員が受けられる基本サービスではないので、これに問題があっても、研究室内の公平性の問題であっても、大学のネットワークの問題ではない。

大学が責められるべきは、大学が所属学生に公平に提供している各種サービスに対しての話と、研究室の構成員に提供している各種サービスが情報セキュリティ的にまずいのを許している場合だけ。研究室の構成員に提供している各種サービスが使いづらいとか公平じゃないという話は、個々の研究室主宰者が引き受ける話で、大学に言われても「各先生にお任せしていますので」か「わかりました、大学では面倒みれないのでそのサービスやめさせます」のどちらかしか回答してくれないと思う。

これを大学の無責任とみなすかどうかは、各教員に任せているという柔軟性が大学の持ち味の一部なので難しい話。また、研究室のネットワーク管理を学生にやらせているというのもいろいろと難しい話だったりする。情報系の学生ならば、即戦力技術だけど他の分野の学生だと単なるただ働きになってしまう。ちなみに、私の所属研究室では私が管理している。

あと、上記まとめ中に電子ジャーナルの利用履歴や図書館の利用履歴が教員に監視されるという話があるけれども、電子ジャーナルのシステムにもよるけど、個人ユーザーでのログインを求めるシステムでないかぎりは、電子ジャーナルのダウンロード履歴なんて図書館ですら把握できていないと思う。ログインがないならば、図書館がわかるのはどのIPアドレス(特定できたとしてMACアドレスまで)からアクセスしたのかというデータのみ。図書館の貸出履歴に関しては、調べるのは可能かもしれないけど、コストパフォーマンスからすれば教員が一学生の貸出履歴を参照するということはしないと思う。嫌な言い方だけど、もっと簡単で強力な嫌がらせ方法があるのに、そんな手間のかかることする必要性が薄い。

大学外から図書館契約の電子ジャーナルが読めるかどうかは大学の方針によって異なる。もし、研究室のサーバー経由(VPNを構築しているとか)で電子ジャーナルを利用できるようにしているならば、研究室のサーバー管理者が利用状況をチェックできるかもしれないが、これ自体はサーバー管理者および研究室主催者が行うべき当然の仕事なので、文句言えない。文句言うのはこれを使って嫌がらせされたときのみ。

内容の真偽に踏み込まず助言するならば、研究室で提供している付加的サービスについて文句言うときは「公平性」だけを論点として文句言った方が良い。というのは、そのサービスの提供負担は研究室主宰者およびサービス管理者が好意で支払っているだけで、利用者はそれを好意で使わせてもらっているだけなので。他の研究室構成員が使えているものについて、自分だけ使えていないという主張ならば公平性の観点から対応せざる得ないと思う。

休学中の学生への連絡

まずは休学をどう考えるのかがひとつのポイント。休学中に学費を払わないスタイル(多くの国公立大はこのスタイルが多い)ならば、大学が学生に提供するサービスをストップしても良いと考えるかもしれない。あるいは、学費は授業や研究指導の対価と考えるならば、基本サービスは提供するべきと考えるかもしれない(そういえば休学中に学割は発行されるのだろうか?)。休学中も学費を払うスタイルならば、基本サービスは提供するべきと考える人が多いとは思う。

次に研究室配属後の学生への連絡経路をどう構築しているかによって、休学中の学生への連絡を誰がするべきなのかが変わる。学部・大学院研究科などの学務係から直接なのか、学科・専攻の担当教員から直接なのか、それとも研究室の主宰者経由なのか。ここいらへんは、学生情報についてどれぐらい集約し、共有しているかによってことなる。研究室がある学科や専攻は、結構、研究室経が多いと思う。

あとは、学生へのメールでの連絡が正式なサービスなのか、当該担当者の私的サービスなのかでも違う。たぶん、大学の基本方針は掲示による連絡。メールでの連絡が正式サービスであるのかは大学、学部、研究科、学科、専攻によって違うと思う。当該担当者の私的サービスの場合、担当者が変わってしまうとその私的サービスは提供されなくなる可能性がある。

今まで届いていた休学中の学生への連絡が突然届かなくなったというのは、大学が特定の個人に悪意をもって、連絡をやめたというよりも、サービス業としていまいちな体制であるのでサービスが提供されなくなったというのが一番可能性が高いと思う。