「年齢:15歳、性別:女性、住んでいる町名:〜町、借りた本:堕胎の仕方」で問題なし?

他にも「年齢:14歳、性別:男性、住んでいる町名:〜町、借りた本:完全自殺マニュアル、図解中毒マニュアル」とかもいろいろとありそう。このプロファイルに当てはまるのが10名程度だと「いつも図書館に行くのは誰?」と近所で聞いたら即座に特定(誤認定)できそう。私がこのデータに触れる担当者だったら当然心配する。でも、こういう自由を認めるのも「図書館の自由に関する宣言」で守りたいこと。

人口が十分に多い土地以外は年齢ピンポイントは危ないと思う。年齢区分は小学校低学年、高学年、ローティーン(中学生)、ハイティーン(高校生〜成人)、20代、30代、…ぐらいの分け方が良いんじゃなかろうか。本の選定につかうならそれで十分でしょ?(あとは、属性を使ったレコメンドもこれぐらいで十分だと思う)。

この話は、プライバシー侵害を懸念する際に「個人情報保護法」でいう個人情報でないから問題ないと主張する組織が相次いでいるのが問題の続き。記事をみるかぎり、やっぱり、個人情報保護法」でいう個人情報でないから問題ないという流れのような気がして怖い。

あと、このタイトルはミスリーディングなので止めて欲しい。「データ収集」行為に問題がないのではなく、「収集するデータ」が問題ないと言われただけ。

武雄市図書館の管理をレンタルソフト店「TSUTAYA(ツタヤ)」の運営会社に委託する計画を進めている佐賀県武雄市は6日、利用者の個人情報の扱いについて、市個人情報保護審議会(会長・松尾弘志弁護士)に諮問した。審議会は収集する統計データは個人を特定しない情報で問題なく、貸し出しに伴うポイント付与のための情報提供も本人同意があれば構わないと答申した。ただ、個人情報の厳格な取り扱いを明文化し、運用にも配慮するよう要請した。

市は3点を諮問。性別、年齢、住んでいる町名の情報だけを残した利用履歴である統計データの収集については、個人と特定できない属性情報で、問題なしと答申。運営会社の「Tカード」を選択した場合のポイントシステムへの情報(T会員番号、使用年月日、使用時刻、ポイント数)の提供は、本人同意があれば構わないとした。

ただ、利用情報の管理については委託時の協定書に厳格な保護、運用にあたっての情報システム構築を明文化することを要請した。市によると、統計データは館内のシステムに13カ月蓄積し蔵書充実などに利用、現行と同じ運用になる。個々人の関心に合った本を推薦する「リコメンド」はしないという。

この記事タイトルもひどい。理屈では収集するデータは「個人情報でない」から問題ないでしょ?

武雄市の個人情報保護審議会(会長、松尾弘志弁護士)が6日開かれた。市図書館の運営をレンタル大手「TSUTAYA」の運営会社、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に委託するために、浦郷究教育長から同日付で諮問された図書館利用情報の適正な管理などについて論議し、いずれも「問題なし」と答申した。

審議会は非公開で、終了後に松尾会長が会見して内容を明らかにした。諮問は(1)統計データで使用する情報の収集(2)図書館システムからポイントシステムへの情報提供(3)図書館利用情報の適正な管理の3項目。

答申では、統計データは個人が特定されない属性情報で個人情報ではないため問題はないとした。ポイントシステムへの情報提供も、本人の同意があれば問題はないとした。

図書館利用情報は、指定管理者と協定書を締結すればよいとしたが、協定書については、個人情報の厳格な取り扱いが明文化され、運用にあたっての情報システムの構築がなされていることを確実に盛り込むよう注文を付けた。

同審議会が「問題なし」と答申したことで、市は今月中旬に開催予定の臨時市議会に、CCCを指定管理者とするための議案を提出する。(安楽秀忠)

このタイトルが一番適切に思う。

武雄市図書館の運営をTSUTAYAの運営会社「カルチャー・コンビニエンス・クラブ(CCC)」に委託する構想で、同市個人情報保護審議会(会長・松尾弘志弁護士)は6日「市の個人情報保護条例上問題ない」と市に答申した。市は近く臨時議会を開き、CCCを指定管理者とする議案を提出する。

計画では、同社などの共通ポイントカード「Tカード」と従来の図書カードを貸し出しで使用。カードからは属性情報(性別・年齢・大まかな居住地)だけを取り出し、購入図書を決める際の資料に使う。貸し出し履歴から本人にお勧めの本を提示するレコメンド機能は断念した。この結果、本の利用履歴だけが統計データとなるので、審議会は「収集されるのは個人情報ではなく、問題ない」とした。

Tカードはポイント取得のため、図書館利用情報がCCCのシステムに提供される。会員番号と利用年月日と時刻、ポイント数の4項目。審議会は「情報提供に本人の同意があれば条例上問題ない」と判断した。【渡部正隆】

関連

追記

こちらのエントリーで佐賀新聞、読売新聞、朝日新聞毎日新聞サガテレビでの報道比較がされています。