第3者に対して「お客様」ということ

ソフトウェア開発者の方々とお話をさせていただくときに、ちょっとだけ居心地が悪いなぁと思う言葉がある、それは「お客様」。普段「客」や「お客さん」と呼んでいると、客の前でも「客」や「お客さん」といってしまうから、「お客様」と普段から呼ぶように気をつけているのだと思うけれども、何か居心地の悪い言葉である。

私は、開発者と発注者の輪の外にいるので、発注者のことを「お客様」と思わない。だって、私の客ではない。なので、開発者の方が私に「お客様の云々」と話しているとき、私には、「お客様」が「ソフトウェアの開発を頼んできたありがたい発注者」という意味ではなく、「オキャクサマ」という、彼らの発注者を呼ぶ「ラベル」に聞こえてしまう。姑と仲の悪い嫁が「オカアサマ」と姑を普段から呼んでいて、友達に話すときにも「うちのオカアサマが…」といっているような感じ。

グループの外の人に、グループ内の人について話すときには、話相手と対等かそれ以下に置くのが普通のような気がする。そう話せないのは、日本語のルールが分かっていない人だけ、たとえば子供とかが
「うちのお母様(お父様)が…」と他人に話すのは「まだ、うまくしゃべれないんだな」と思うだけで、その子の母親(父親)への敬意に関しては疑わない。だけど、会社人としてもう幾年もたっている方が、「うちのお客様が・・・」と他人に話していたら、「それは習慣として『オキャクサマ』と呼んでいるだけでしょ?」と思う。

まあ、自分も自分のボスのことを他人に話すときにどう呼べば適切なのかがいまいち理解できていないので、勝手な解釈かもしれんけど。