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勧誘も謝罪も「外注」で――。利用者の個人情報が大量流出した通信教育大手ベネッセホールディングス(HD)は、利用客らの問い合わせなどに応じる電話の窓口業務を派遣会社に委託した。社員だけでは対応しきれないためだが、謝罪業務を委託する企業姿勢を疑問視する声もある。

開発・運用担当が原因究明やデータ復旧、サービスの再開を進めている横で、サポートや営業部ではいっせいに電話が鳴り始めた。電話回線がパンクし、自社のメールサーバーがダウンした中、FAXがひたすらどんどん送られてきたという。サポートを担当する大西圭一氏(営業部 部長補佐 カスタマーグループ担当 以下、サポート大西)、営業の小島健司氏(営業部 部長 以下、営業小島)はこう語る。

サポート担当大西:1時間に2000件の電話がかかってきました。メンバーも10名そこそこしかいないのに加え、状況や納得いただける説明ができず、1件当たりの対応が1時間におよぶこともありました。そのため、応答率は0.01%という感じになっていました。
〜中略〜

事故後3日目の昼からはある程度のキャパシティのコールセンターを確保し、徐々にではあるが、顧客の問い合わせに対応できるようになった。

サポート担当大西:電話はほとんどが事故対応のお客様で、通常のお問い合わせはつながらない状態でした。一方、メールは事故対応と通常対応の部隊を分け、15時までに着信したメールの内容は当日中に戻すというポリシーを守れるようにしました。