Push型広告の特徴

サッカーの中田選手が現役引退するというニュースが新聞でもテレビでも報じられている。私レベルのサッカーに興味がない人にとっても、彼は有名な選手で、彼が外国でプレーし始めてからたくさんの日本人選手も外国でプレーをしはじめたように思える。だから、このニュースを聞いたときには「残念だなぁー」と思った。この一報を聞いたのが7/3の夜

今日の私の起床が6:30、ズームイン朝をみていたら、同じくこのニュースがやっており、中田選手のWebページでの発言が放送されていた。まあ、中田選手らしい(自分のイメージする中田選手らしい)発言だなと思い聞いていた。で、6:45ごろ、再び、中田選手引退のニュース。また、Webページを読み上げる。今度は、中田はちょっとアントニオ猪木みたいだなと思う。次、7:00ごろ、また、中田選手引退のニュース&Webページ。7:30ごろ、またもや、中田選手引退のニュース&Webページ。8:00ごろ、また、中田&Webページ。

いいかげん8:00ぐらいになると、うんざりしてくる。中田選手に関して何ら含むものもないし、彼の引退を残念にこそ思うが、非難の気持ちがなかったのにもかかわらず「中田、もういいよ」という気持ちになってくる。たぶん、夜のニュースも中田&Webをやる。そのころには、「中田は目立ちたがりなんじゃないの。」「中田うざい」に気持ちが変わっていそうな気がする。

でも、中田選手は決意したことを、Webページで報告しただけ。それ以外には何のアクションもとっていない。短時間に何回も何回も放送されているニュースを聞いた、私が勝手にうんざりしているだけ。どうして、うんざりしているか?それは、繰り返される放送に私が興味をもてないから。何で興味がもてないのか?もう、全部知っているから。知っていることを何回も繰り返されることほどうんざりすることはない。何で、知っていることを繰り返されるとうんざりするのか?それは、相手が私に興味を持っていないということを思い知らされるから、すなわち、私を無視した行為だから。(内田樹の「先生はえらい」にこのあたりの話が詳しく書かれています)

Push型の広告(聞かせたい相手の同意なしに送られる広告)は、単発であるならば、わかりやすければ、わかりやすいほど良い。もし、繰り返すならば、広告を届かせたい相手にすべてを理解させないようにしなければならない。そうでなければ、相手の既に知っていることを繰り返し送ることになるので、結果として広告の受け取り手を無視しているというアピールになってしまう可能性がある。たぶん、こんな話は広告業界では当り前の話。なのに、広告業界と人材の交流がありそうなテレビ局にこの観点がないのはなぜ?