何が簡易論文なのかは分野によって違うことにご注意

読売新聞:森口氏の「研究成果」多くが簡易論文の説明は非研究者に対してもわかりやすく説明しようとしているのがわかるのだけど、以下の点で足りていないと思う。

  1. 分野ごとに研究成果の発表媒体が違う
  2. 今回の分野の研究成果の標準発表方法は何かがわからない
  3. 簡易論文が結局なんなのかが説明されていない

私は計算機科学系(さらに絞れば知識工学系)なので、この分野に特化した内容を含んでいるかもしれないけれども、論文の種類や位置づけについては以前以下のエントリーでまとめた。

それぞれの分野の研究者のみなさまが、自分の分野における標準的な研究成果発表方法をブログやWikipediaなどでまとめてもらえると非研究者の方(マスコミ含む)が裏取りするときに重宝すると思う。こういうのも科学コミュニケーションだと思うので、お時間がある方はぜひやっていただきたい。また、大学院生、特に博士後期課程の学生さんは、業績を積み重ねる基本知識となるはずなので、積極的に自分の分野における標準的研究成果発表方法をブログなどでまとめてほしい。

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追記

読売新聞は Regular paper を正規論文・正式論文・通常論文と理解し、それ以外の論文をどう呼ぶのか迷った末「簡易論文」と名付けたのだと予想。「不正規論文」「異常論文」だと誤解を与える表現であるため。造語を出すときにはその定義を、新しい訳語を作るときには元の言語での表現をあわせて載せるということだけしておくのが良い。