Tim Cookやるなぁ。

iOS 6にするとGoogle Mapが使えず、Apple謹製地図になると聞いて、私はアップデートを1週間ほどためらっていた。Appleファンでなく「便利なスマートフォンがほしい」という人にとっては、自分の主たる使用目的が満たせなくなったら、使用目的を満たせるハードウェアに乗り移るのは当たり前のこと。

なので、Google Mapが使えないスマートフォンであるiPhoneから乗り移る人は出るだろうなぁと思っていた矢先の以下のTim Cookコメント。Apple謹製地図のリリースが早すぎた点は失点だと思うけど、Appleの強みがiPhoneというハードウェアをたくさんの人が使っているという点を見誤らなかったのは見事なバランスだと思う。

〜前略〜
私たちがマップの改良に取り組んでいる間、皆様にはApp Storeから「地図マピオン」、「地図 Yahoo!ロコ」などの地図アプリケーションをダウンロードしていただけます。Googleマップのウェブサイトにアクセスして、そのアイコンをホーム画面に作成し、マップを使うこともできます。
〜後略〜

ここで、「Googleマップのウェブサイトにアクセスして、そのアイコンをホーム画面に作成し、マップを使うこともできます」と言ったのが潔いと思う。Googleマップを使いたいがために、Android系ハードウェアに乗り換えるのを防止できるならば、このアナウンスで生じるネガティブな事柄は全部カバーできる。

あと、別件ながらアップル、GoogleTwitterなどの多国籍企業はプレスリリースをちゃんと各国の言語でだすから偉いよね。日本の官公庁および全国紙は日中韓米の連携が重要というならば、Webサイトのコンテンツを中国語、韓国語、英語でリリースすればよいのに。そうすれば、ネットの検索にひっかかりやすくなるから、調べようと思った人は常にチェックできるようになる。翻訳できる人材の年間雇用コスト1,000万円(フリーランス翻訳者の年収アンケート結果の結果より500万円の年収と考えて各種手当で二倍のコストと想定)、官公庁1つのサイトに各言語2名ずつ(各府省へのリンクを見ると21サイト)、全国紙が5紙なので、1,000万円 × (3言語 × 2名 × (21サイト + 5紙))= 156,000万円 = 15億6千万円。平成24年度予算(政府案)について(PDF)を見る限り高すぎるか。