昼の逃げ場所づくり

18歳以下の自殺者数を過去約40年間の日別でみると、9月1日がもっとも多く、ついで4月上旬となっており、学校の長期休業明け直後に自殺が増える傾向がある。このような時期に着目し、子どもの変化の把握や見守りの強化、相談や講演などの対策を集中的に行うことが効果的であるという。

10代前半の自殺は、遺書や自殺サイトへの書込みなど原因や動機のための判断資料を残していない場合が多く、自殺の予兆を周囲に悟らせずに自殺に至ってしまう傾向がある。そのため、子ども自らが周囲に悩みを打ち明けやすい環境を作っていくことが重要だとしている。

という前提の下以下のような呼びかけがあった。

上のツイートを受けて、そういう子が図書館にいても何もせずに見守って欲しいという主旨のエントリー。

一方で、上のツイートが多くの人に賞賛されていることを受けて見守る覚悟があるのかを問うエントリー

誰にでもどんな状況にもあてはまる万能な解決法はないから当然いろいろな見方がある。私としては上のエントリーで提案されているシステムをアレンジして、無責任に見守ったら良いのではないかと考える。

「ぼくのかんがえるさいきょうの」支援体制の枠組みとして、図書館が学校側に「今日はこちらで責任をもってお預かりします」と連絡を入れる以外考えられません。今まで突発的にイレギュラーを受け入れてきたからなあなあで済んでいたのですが、こうやってインターネットの世界に「広報」してしまった以上、責任を持って子供を預からなければいけないのです。別に指導をするとか何か言うとかそういうのだけが責任ではなく、「危険が及ばないように管理、監視する」というのも大事です。そういったシステムも連携もなくただ「おいで」とだけ言うのは、公共施設と言う意味では非常に正しいのですが「子供を預かる」という立場になると大変無責任だと思うのです。
泡沫サティスファクション:ネットで賞賛された図書館ツイートについての雑感より)

こういう風な見守り方はどうだろう。

  • 自治体内(小学校や中学校、高校の学区内)の図書館(あるいは児童や生徒がふらりと入って、長時間いても追い出されない施設)と学校、警察、児童福祉関連部署の担当者が含まれるSNSメーリングリストを用意する
  • 自治体内(小学校や中学校、高校の学区内)の図書館(あるいは児童や生徒がふらりと入って、長時間いても追い出されない施設)は、平日に児童、生徒がいることを把握したら、存在報告を所定の場所(メーリングリストとか)に報告する。ただし、その児童や生徒には干渉しない。図書館員の役割は定期的な存在報告(午前、午後に各1回ぐらい)と他の大人が干渉していないかのてそれとない確認ぐらい。
  • 学校は無届で学校にきていない児童・生徒がいた場合に、メーリングリストの存在報告をチェックする
  • 基本的には特定を行わない。欠席が数日間に渡っている場合は先生が確認にいっても良いと思う(逃げ場所の提供だけでは解決できない恐れがあるため)。
  • 警察にはその区内のパトロールの範囲に図書館を含めてもらう。でも、干渉はしない

上記のシステムだと、そういう児童・生徒を狙って悪い人が動いた場合や、図書館の外での事故、事件には対応できない。図書館にいる児童・生徒を確認できないので学校からすると行方不明の未成年を放っておいていることになる。もし、取り返しのつかないことが起こったときには、それぞれの大人が果たすことのできるベストを尽くしていないので責任は問われてしまう。一方で、責任を万全にとるために、図書館が児童・生徒に干渉し、彼らが図書館の外へ移動したならば、より危険な場所に彼らは移動するので、現状よりも悪くなってしまう。もちろん、大人は責任を果たしているので問題はなくなるけど。

夜の逃げ場所が作り辛いので、せめて昼の逃げ場所ぐらい用意しておいても良いのではないか。夜の逃げ場所についての提案は以下のエントリーがある。

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